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90切りの現実考察とそれを可能にする練習法(下)

2020/2/24 3:00
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 アマチュアレッスン界のカリスマが、月1ラウンド・週1練習が精いっぱいの100切りゴルファーを90切りゴルファーに変身させる方法を伝授。まずは90切りとはどういったゴルフなのか。「そのことをしっかり把握してから練習すべきことを考え、実践することだ」と久富章嗣さんは言う。では、それはどんな練習を行うことになるのか。都内の練習場で実際に体験してみた。(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ VOL.45」から)

《練習3》30、40、50ヤードのアプローチ

久富 最後にアプローチの練習をしましょう。180ヤードのティーショットを打ち、150ヤードのセカンドショットまで「ショットガン・ショット」で運んでこられても、アプローチを失敗してしまうとボギーオンがダボオンになってしまいます。ボギーオンのゴルフで90切りをするためにはアプローチで確実にグリーンに乗せて2パットであがる必要があります。普段のアプローチはどのようにしていますか?

──グリーン脇からのアプローチで30ヤード以内であれば8番アイアンで転がすようにしています。30ヤード以上あるときはロフト52度のアプローチウエッジを使っています。58度はバンカー以外はめったに使いません。

久富 では、距離の打ち分けはどのようにしているのですか?

──基本的に52度で振り幅を調整して行っています。

久富 なるほど、8番アイアンの転がしならパターと同じ距離感、振り幅でいけるのでよいのですが、52度で30ヤード、40ヤード、50ヤードを振り幅で打ち分けるのは実は思ったより距離感をつかむのが難しいです。なぜなら練習場ではキャリーで30、40、50ヤードを打ち分ける練習はできますが、ランがどのくらい出るかわからない。距離が短い分、キャリー+ランの計算が難しくなります。また、ラフに入ったときの芝の影響も大きい。プロならアプローチの練習環境も抜群なコースで一日中練習できますが、アマチュアはほぼ練習場で練習するしか方法がないわけですから。

──30ヤード以上のアプローチ練習場が完備されているコースはめったにありません。

久富 そこで、練習場でも30、40、50ヤードの距離を打ち分けられる練習方法を用意しましたので説明しましょう。

──お願いします。

久富 少し前まではアマもプロのようにウエッジ1本でロフトを開いたり閉じたりしてアプローチしたと思いますが、昨今はウエッジのロフト角も細分化して48~60度まで2度刻みに発売されています。そこで中古クラブ屋で全部のロフト角のウエッジを購入して、ホームコースに持ち込んで様々な実験をしてみたところ、面白いことがわかりました。

──何がわかったのですか。

久富 60度のウエッジを使って30ヤードの距離を打ったときと同じ振り幅で58度のウエッジを打つと40ヤード、56度だと50ヤードになることがわかったのです。60度のウエッジならほとんどランが出ませんから、練習場で30ヤードの距離を練習することができます。それと同じ振り幅で58度と60度を練習すれば本コースでも40ヤードと50ヤードを打ち分けられるのです。

──なるほど、同じ振り幅で3本ウエッジを使い分けることにより30、40、50ヤードを打てるようになるということですね。しかも練習場で練習できる。

久富 月1ラウンド・週1練習の皆さんにとってアプローチの距離感を習得するのは、実は一番ハードルが高いことなんです。ですから、道具に頼ってオートマチックにアプローチするのはありだと思います。

──60度のウエッジは使ったことがないのですが、難しくないですか?

久富 もちろん練習は必要ですが、週1練習ゴルファーでもロブショットができるようになりますよ。そして60度をものにすれば56度と58度も十分使いこなせるようになります。52度1本で振り幅を調整して距離を打ち分けるよりずっと近道です。中古クラブで十分なので一度試してみてください。

──さっそく中古クラブ店に走りたいと思います。アプローチの練習で気を付けるポイントはありますか?

久富 アプローチも他のスイングと同じです。一番気を付けなければならないのは「すくい打ち」です。ですから、アドレスはハンドファーストに構えてダウンブローに打ちます。練習場での練習はまずティーアップしたボールを打つようにしましょう。ボールの下を打ち抜き、だるま落としのようにボールがポトンと上がって少し前に落ちる「ポトンショット」ができれば成功です。これができるようになったらマットの上から打ちます。60度で30ヤードの距離を徹底的に練習して振り幅を覚えます。次に同じ振り幅で56度と58度を練習します。こうすれば月1ラウンド・週1練習でもアプローチの距離感を習得できます。では60度を実際に練習してみましょう。

ウエッジアプローチ

ウエッジアプローチ

60、58、56度とロフトの異なる3本のウエッジを使い分け、「ポトンショット」を放って30ヤード、40ヤード、50ヤードを打ち分ける

60、58、56度とロフトの異なる3本のウエッジを使い分け、「ポトンショット」を放って30ヤード、40ヤード、50ヤードを打ち分ける

 久富先生が低くティーアップしたボールを60度で打つとボールが高く上がってポトンと前に落ちる。先生の次に同じようにやってみるが、ジャストミートしてボールが前に飛び、「ポトンショット」ができない。

久富 当てようとする意識が強すぎて頭が前に突っ込んでいます。ヘッド・ビハインド・ザ・ボールを心掛けて、セカンドショットで行ったダウンブローの練習を思い出してください。

──徐々にボールがフワッと上がるようになってきました。練習してよくわかりましたが、ドライバーもセカンドもアプローチも、飛ばそうとする気持ちを抑える「思考の脱力」がとても大事ですね。

久富 その通りです。飛ばさなくていいアプローチでも上体に力が入ったり頭が前に突っ込んだりするのは無意識のうちに「飛ばそう」と思っている証拠です。練習場ではドライバーからアプローチまですべてのクラブで飛ばさない「思考の脱力」を徹底的に身につけてください。

──ティーショット、セカンド、アプローチの何を練習場で練習するのかが明確になりました。練習場での練習内容を見直して、今年は何としても平均90を切るゴルフを目指したいと思います。

(文:並木繁、協力:光ケ丘ユー・プラザゴルフレンジ)

ひさとみ・あきつぐ 1951年生まれ。日本大学ゴルフ部では主将を務め、アマチュアとして全英オープンの予選出場の経験を持つ。独自のゴルフ理論を展開し、これまでに多くのアマをシングル入りさせている。全国に厚い信奉者がいるアマ向けレッスンの実力者。指導を受けたい人は、hisatomi-golf@jcom.home.ne.jpまで。
 レッスンの撮影は都営大江戸線光が丘駅、東京メトロ有楽町線・副都心線赤塚駅と東武東上線下赤塚駅から徒歩10分の練習場「光ケ丘ユー・プラザゴルフレンジ」(http://www.u-plaza.co.jp/)で行った。1階から3階まであるきれいな打席は全63、フェアウエーは130ヤードで広々した抜群の景観だ。
「書斎のゴルフ」公式ホームページはこちら。http://syosainogolf.com/index.html

書斎のゴルフ VOL.45 読めば読むほど上手くなる教養ゴルフ誌 (日経ムック)

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価格 : 1,430円 (税込み)

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著者 : 久富 章嗣
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