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90切りの現実考察とそれを可能にする練習法(中)

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2020/2/20 3:00
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 アマチュアレッスン界のカリスマが、月1ラウンド・週1練習が精いっぱいの100切りゴルファーを90切りゴルファーに変身させる方法を伝授。まずは90切りとはどういったゴルフなのか。「そのことをしっかり把握してから練習すべきことを考え、実践することだ」と久富章嗣さんは言う。では、それはどんな練習を行うことになるのか。都内の練習場で実際に体験してみた。(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ VOL.45」から)

《練習1》180ヤードのドライバーショット

久富 まず、最初にドライバーショットの練習です。この練習の目標は、90切りならばドライバーで180ヤードの「ショットガン・ショット」が打てるようになることです。もし100切りが目標なら150ヤードの「ショットガン・ショット」から始めましょう。

──150ヤードなら、ドライバーで打たなくてもミドルアイアンでもいけそうですが。

久富 もちろん、ティーショットは何で打っても構わないのですが、実際には皆さん、ドライバーを持ちますよね。それにダボオンの方もボギーオンが目標となっていくのですから、まずはドライバーを使って150ヤードを打ち、「ショットガン・ショット」ができたら、180ヤードを練習すればよいのです。

──私の場合は90切りが目標なので180ヤードから練習したいと思います。

久富 いいでしょう。ポイントは3つあります。(1)体全体の筋肉を使って、(2)ゆったりしたスイングを行い、(3)ミート率を高める。180ヤードですから強く、速く振る必要はありません。だけど、手や上半身だけを使って合わせるような打ち方ではスイングが安定しません。最初からドライバーを持つと力が入ってしまうので、まずは飛距離を抑えることに慣れるためにも、ティーアップしたボールを5番アイアンで100ヤードを打つところから始めましょう。では、始めてください。

5番アイアンの100ヤード

5番アイアンの100ヤード

5番アイアンを持ち、スタンスを狭め、体全体の筋肉を使い、ゆったりとしたスイングで、ミート率を高める

5番アイアンを持ち、スタンスを狭め、体全体の筋肉を使い、ゆったりとしたスイングで、ミート率を高める

5番アイアンを持って打席に入る。ボールをティーアップして3つのポイントを復唱してからハーフスイングでボールを打つ。すると低い弾道で右にスライスしてしまった。飛距離はキャリーで120ヤードを超えている。

久富 上半身に力が入り過ぎています。それでフルショットしたら「ポップコーン・ショット」になってしまいますよ。それと5番アイアンで距離は100ヤードを打つわけで、今のスイングでは飛ばし過ぎです。

──なかなか難しいですね。100ヤードを打とうとすると、合わせにいって上半身で打ってしまいます。体も突っ込んで低いボールになってしまう。普段は左に引っかけることが多いので注意したら今度は右に出てしまいました。

久富 前傾した軸をキープして腕をブランブランと脱力します。それと5番アイアンで100ヤードなら9時~3時のスイングでも大きいくらいです。今のは10時~2時のスイングになってしまっています。もっと振り幅を小さくして、ゆったりと振りましょう。

 注意点を復唱しながら何度か素振りをしたのちにティーアップしたボールを打つ。少しずつ芯に当たるようになり、ボールも100ヤード先に集まりだした。

久富 いいですね。100ヤードにそろってきました。私はこの練習を「思考の脱力」と呼んでいます。力を抜いて打ちましょう、と言ってもクラブを持てばどうしても力が入ってしまうものです。どうしてかというと、誰もが本能的に「遠くに飛ばそう!」と思ってしまうからです。そこで今度は意識的に「飛ばないようにする!」と思いながら打つと、インパクトだけが緩んだ、先ほどの1打目のようなボールになってしまいます。

──わかります。右がOB、左が池のようなホールで大事にティーショットを打とうとするとかえってOBに行ってしまったりすることがあります。そこで、そういった状況のときは意識せず思い切って振るようにしています。

久富 それでもひどいショットになってしまいますよね。運を天に任せた一打になってしまうからです。ですからそのような状況の場合は今できたように「100ヤードを打つ」と決めて打つわけです。そうすると「飛ばそう!」から「コントロールして100ヤード先にボールを運ぼう!」に脳内の目標が変わり、「思考の脱力」が起きるのです。実際打ってわかる通り、5番アイアンで100ヤード先にボールを打つとすれば、全身の筋肉を使わないといけないのです。脱力しなければいけないのは「筋肉」ではなくて「思考」なのです。それでは続いてドライバーで120ヤードを打ってみましょう。最初はスタンスを閉じて打ちます。

 ドライバーを手に取り、いつもと同じ高さにボールをティーアップし、両足をくっつけてハーフスイングで打つ。最初はなかなかいい当たりが出なかったが、(1)体全体の筋肉を使って、(2)ゆったりしたスイングを行い、(3)ミート率を高める、と復唱しながら練習すると、だんだんと弾道が安定してきた。

久富 いいでしょう。最初はドライバーを持った瞬間に飛ばす気満々で「思考の脱力」ができていませんでしたが、徐々にできるようになってきました。ミート率も上がってきています。次にスタンス幅を少しだけ広げて150ヤードを打ってみましょう。150ヤードで「思考の脱力」ができるようになったら、いつもと同じスタンスで180ヤードを打ってみましょう。

ドライバーの180ヤード

ドライバーの180ヤード

ドライバーを手にし、足をそろえたスタンスで体全体の筋肉を使い、ゆったりとしたスイングでミート率を高める

ドライバーを手にし、足をそろえたスタンスで体全体の筋肉を使い、ゆったりとしたスイングでミート率を高める

 まず狭いスタンスで150ヤードを打ってみる。これは120ヤードの力感ですぐにできるようになった。次にいつもと同じスタンスで180ヤードを打つ。スイング幅はほぼフルスイングにしないと180ヤードに届かない。力加減が難しく、強く打ち過ぎて200ヤードも飛んでしまったり、ミート率が落ちて140ヤードになってしまったりとなかなかうまくいかない。

──180ヤードになると途端にうまくいかなくなります。

久富 180ヤードに飛距離を落としたからといって簡単になるわけではないのですよ。目いっぱいのマン振りを卒業してコントロールされた180ヤードの「ショットガン・ショット」を打つわけですから、それなりの練習量は必要です。うまくいかなくなったら最初の5番アイアンで100ヤードを打つところから再度始めてみてください。反復練習をしてドライバーでの180ヤードの「ショットガン・ショット」を手に入れましょう。

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