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90切りの現実考察とそれを可能にする練習法(上)

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2020/2/16 3:00
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 アマチュアレッスン界のカリスマが、月1ラウンド・週1練習が精いっぱいの100切りゴルファーを90切りゴルファーに変身させる方法を伝授。まずは90切りとはどういったゴルフなのか。「そのことをしっかり把握してから練習すべきことを考え、実践することだ」と久富章嗣さんは言う。では、それはどんな練習を行うことになるのか。都内の練習場で実際に体験してみた。(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ VOL.45」から)

ひさとみ・あきつぐ 1951年生まれ。日本大学ゴルフ部では主将を務め、アマチュアとして全英オープンの予選出場の経験を持つ。独自のゴルフ理論を展開し、これまでに多くのアマをシングル入りさせている。全国に厚い信奉者がいるアマ向けレッスンの実力者。指導を受けたい人は、hisatomi-golf@jcom.home.ne.jpまで。

──今日はゴルフレンジでの練習法がテーマです。特に我々のように月1ラウンドで週1回練習場通いが精いっぱいのゴルファーでも、何とか上達できる練習法を教えてほしいのです。

久富 一般的な月1ゴルファーの練習法ですね。本来ならば毎日練習場に通えば上達も早いのですが、会社勤めの方ならそうもいかない。とはいえ、「ゴルフの上達には時間がかかる」ということは忘れないでいてほしいのです。

──週1回の練習ではやはり足りないということでしょうか。ここ数年スコアが伸びなくて、平均スコア90切りを目前に足踏み状態です。それどころか最近は100を切るのがやっとのラウンドが多く、100オーバーも珍しくありません。

久富 週1回の練習でも90切りのゴルファーになることは十分可能です。私の教え子には月1ラウンド・週1練習でもシングルハンディになった方が何人もいます。「ゴルフの上達には時間がかかる」というのは、プロやトップアマになるためには「時間がかかる」という意味です。

──もちろん、プロを目指しているわけではないし、大して時間も使えませんが、停滞はしたくないです。

久富 本当にそう思っていますか? 皆さんを見ていると、ゴルフ雑誌のプロのスイングをお手本にドライバーショットを思い切り振っていますよね。「真っすぐ遠くに飛ばそう」としている。プロと同じことができるようになろうとしているわけです。しかし、「真っすぐ遠くに飛ばす」ための練習であれば、週1回行っても永遠にプロのようにはなれません。

──では、どのような練習をすればよいのでしょうか。

久富 私の生徒さんで週1回の練習でもシングルハンディになった方を見ていると、必ず自分のレベルに合わせた練習をしています。70歳オーバーのグランドシニアでドライバーが180ヤードしか飛ばないシングルさんがいますが、もっと飛ばそうと練習するのではなくアプローチとパターを徹底的に磨いています。つまり「真っすぐ遠くに飛ばす」だけがシングルへの道ではないということです。

──確かに、週1~2回の練習しかしていないのに常に90を切ってくる会社の同僚がいますが、才能の差なのかなと思っていました。

久富 才能の差が出るのはプロのレベルです。ある程度の期間ゴルフをやっていて月1ラウンド・週1練習であれば、誰でも90切りのゴルファーになれます。そのためには自分のレベルを把握して、どのようなプレーを目指すのかを明確にしましょう。

100切り、90切り、80切り、スコアの目標を明確にする

久富 まずは、スコアの目標をどこに置くのかを決めましょう。つまり、100切りを目指すのか、90切りなのか、80切りなのかです。100切りを目指す場合はダボオンのゴルフ、90切りが目標ならボギーオンのゴルフ、80切りならパーオンのゴルフと定義するわけです。

──私の場合は90切りが目標なので、ボギーオンのゴルフを目指せばよいことになりますね。

久富 90切りが目標なのですね。それではボギーオンのゴルフで90切りを目指すときの組み立てから説明しましょう。例えば380ヤードのパー4の場合、ティーショットを180ヤード、セカンドショットを150ヤード、3打目を残り50ヤードのアプローチという組み立てにするのです。つまり、あえて距離を求めず、ボギーオンのゴルフに徹するわけです。

──380ヤードのパー4であれば、ドライバーで230ヤード飛ばして、2打目を150ヤード打つようにしたいと思ってしまいます。でも、これはパーオンの組み立てですよね。しかし、それができるかといえば、現実的に厳しい。パー4のホールだとすぐにパーオンしようと思ってしまうのですが、それがいけないのですね。久富さんが言われるようにパー4でもボギーオンで組み立てれば、すごくやさしく感じます。

久富 もし90を切ろうとするなら確実にボギーオンをして、いかに「手痛いミス」を防ぐかが大事なのです。ナイスショットの連発で奇跡的にバーディーを取ってもマイナス1打にしかならない。ところが、OBを打ったり池に入れたり、バンカーで大たたきをしたらすぐにダボやトリプルボギーをたたいてしまう。大たたきしてしまうと、90切りは夢のまた夢になってしまうわけです。ではなぜ「手痛いミス」が出るのかわかりますか?

──やはり自分の技能以上のことを求めて無理をするからでしょうか。

久富 その通りです。最大飛距離を求めてドライバーをマン振りしたり、ロングアイアンでグリーンを狙ったりと、まるでプロと同じバーディー狙いのゴルフをしようとします。結果、ほとんどがパーオンなどできず、「手痛いミス」を犯して大たたきになってしまうのです。ところが、最初からボギーオン狙いならどうでしょう。380ヤードの例なら、1打目をドライバーで180ヤード打てればよいわけですから無駄な力みもなく、ミスショットの確率はグンと減ります。2打目は150ヤードなのでミドルアイアンでOKです。曲げたとしてもガードバンカーには届かないので比較的平らなライから3打目を打てます。3打目は50ヤードのアプローチをグリーンに乗せるだけと思ってポーンと楽に打てばよいわけです。

──そうやって考えると、ドライバーの飛距離は関係なくなりますね。

久富 そうです。90切りを目指すのであれば、ドライバーの飛距離は180ヤードあれば十分なのです。2打目もダフりさえしなければ、多少曲げても当たりが薄くても関係ありません。最後のアプローチは練習する必要がありますが、寄せようと思わなければ大して難しくはないでしょう。そう思うと意外とうまく寄ってしまうものです。とにかく、3つのショットとも「真っすぐ遠くに飛ばす」練習はしなくてよくなります。では、週1練習ゴルファーが何を練習すればよいのか? ここからが本題です。

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