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アフリカ、バッタ大量発生で食糧・農業に危機

【カイロ=飛田雅則】アフリカ東部で大量のバッタが発生し、被害が深刻になっている。異常気象が原因とみられており、バッタの大群が農作物を食い荒らし、国連食糧農業機関(FAO)によるとケニアでは過去70年で最悪の被害となった。ソマリアは2日、非常事態を宣言した。食糧不足や農業への影響が懸念される。産業を農業に依存している国もあり、経済に打撃を与える恐れがある。

エチオピアやソマリアで1月以降、サバクトビバッタが大量発生し、両国に隣接するケニアにも広がった。ソマリア政府は「脆弱な食糧安全保障が深刻な危機に直面している」との声明を出した。現地では農薬を散布しているが、駆除が追いついていない。エチオピアでは大群が空を覆い、旅客機が緊急着陸を余儀なくされたという。

FAOは1月30日、エチオピアやケニア、ソマリアでは1200万人ほどが食糧危機の状態にあると指摘した。バッタは1日あたり自らの体重分の農作物や牧草を消費し、1億匹ほどの大群で約150キロメートルを移動するため、ウガンダや南スーダンなどへの被害地域の拡大が懸念される。FAOは「生活や食糧を守るため緊急の援助が必要だ」と強調した。

AFP通信は専門家の見解として、インド洋西部の海水温度が上昇する「インド洋ダイポールモード現象」が東アフリカの気候に影響を与え、バッタの大量発生を招いたと伝えた。この現象はオーストラリアの深刻な干ばつの原因にもなっているとみられている。

農作物の主要輸出国で農業が国内総生産(GDP)の約3割を占めるケニアでは、大群のバッタによる農作物への被害が懸念されている。同国はすでに天候不順が原因で2019年の農業生産高が減少しており、さらに追い打ちとなりそうだ。エチオピアも農業がGDPの約4割を占めている。

アフリカでは西部の産油国ナイジェリアやアンゴラなどが経済成長の原動力となってきたが、最近の原油価格の低迷で失速している。新たなけん引役として、製造業を誘致する東部の地域大国エチオピアやケニアが期待されているが、農業に依存しているのが実情だ。

国際通貨基金(IMF)は20年のサハラ砂漠以南のサブサハラアフリカの実質経済成長率は3.5%と予想し、前年と同様に3%台の成長が続くとみる。だが、バッタの被害拡大を抑えられなければ、アフリカの成長を下押しする可能性がある。

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