ジョリーグッド、発達障害を持つ人の社会復帰を支援

2020/2/3 16:20
保存
共有
印刷
その他

仮想現実(VR)開発のジョリーグッド(東京・中央)が発達障害の人の社会復帰を支える事業を広げている。VR映像を使って職場や学校における対人関係のスキルを訓練するプログラムが好調で、サービスを始めてから8カ月で導入施設数が30カ所を超えた。今春には利用者の視線を詳しく分析できる新機能を導入する。

VR研修サービスで発達障害を持つ人の社会復帰を支援する

障害者の就労を支援する施設「ニューロワークス大塚センター」(東京・豊島)は2019年9月から、ジョリーグッドのVR研修サービス「emou(エモウ)」を使い始めた。

就職活動をする際の面接の練習や職場での自己紹介、電話のかけ方などを実際の職場のシーンを再現した高精細のVR映像で学習している。

映像の内容は、こうだ。まずはこんな質問が出る。「仕事で疲れている日に先輩から飲み会に誘われたときに、どのように断りますか」

VR映像ではその後、どのように対応すれば職場での人間関係が円滑に進むか3つの選択肢から自分で考えて選ぶ場面が現れる。

受講者が選んだ選択肢に応じて、先輩社員は異なる反応を示す。研修を担当する施設の職員は「相手を傷つけないためには、状況に応じて小さな嘘をつくことも大切だ」と話していた。

研修に参加した男性(30)は「顔を知っている施設の人と違い、VRでは知らない人が出てくるので緊張する。相手と目線が合うように感じ、リアリティーがある」と話す。この男性は対人関係に加えてパソコンのスキルなどを学び、事務系での就職を目指している。

エモウではVRゴーグル内のセンサーを通じ、受講者が話し相手の目をみているかどうかを点数化して施設に提供している。同施設の担当者は「講師が対面での研修ですべての生徒の視線をチェックするのは難しいが、VRを使えば10人程度でも同時に把握できるのが便利だ」と話す。

料金は月額5万円で、導入時にVRゴーグル(1台5万円)とタブレット(同12万円)を購入する必要がある。ジョリーグッドは発達障害を持つ人向けに80のVRコンテンツを用意し、社会人向けの就労移行施設に加えて小中高生向け施設にも提供する。今春をめどに受講生の視線データを画面上に表示し、分析できる新機能を導入する予定だ。

事業開発部の青木雄志シニアプロデューサーは「発達障害支援の現場では、これまでテクノロジーがあまり入っていなかった」と指摘する。将来は全国に1万5000ほどあるとされる福祉施設の10%への導入を目指す。個人向けサービスの開発も検討している。

(鈴木健二朗)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]