呼吸器外し、再審無罪へ 西山さん「殺していない」
大津地裁で初公判 検察側は有罪立証見送り

2020/2/3 14:18 (2020/2/3 18:05更新)
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再審初公判のため大津地裁に向かう西山美香さん(中央)ら(3日午後、大津市)

再審初公判のため大津地裁に向かう西山美香さん(中央)ら(3日午後、大津市)

滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者(当時72)の呼吸器を外して殺害したとして殺人罪が確定し、服役した元看護助手、西山美香さん(40)の再審初公判が3日、大津地裁(大西直樹裁判長)で開かれた。罪状認否で西山さんは「私は殺していません」と無罪を主張した。検察側が新たな有罪立証を見送ったため、無罪はほぼ確実となった。

公判は10日に結審し、3月末に判決が言い渡される予定。

検察側は冒頭陳述で「有罪である旨の新たな立証はしない。裁判所に適切な判断を求める」と述べた。求刑放棄や無罪論告をするかどうかには言及しなかった。

一方、弁護側は「患者は自然死だ。事件を作り上げ、西山さんを殺人犯に仕立て上げた」などと主張。呼吸器を故意に外していないとする西山さんの自筆の自供書や「たん詰まりで死亡した可能性もある」とする医師の所見が記された捜査報告書など、再審開始決定後に検察側から開示された証拠を新証拠として請求し、採用された。

西山さんは捜査段階で「呼吸器を外した」と自白し、04年に逮捕・起訴された。弁護側の被告人質問で西山さんは、虚偽の供述をした理由について「(好意を抱いた担当刑事に)関心を持ってもらいたかった。そうしたことを言えば、私の話を聞いてくれると思った」と説明。最後に「嘘の自白をしてしまい、長い懲役を受けた。嫌なこともあったが、ここまで来られた」と支援者らへの感謝の言葉を述べた。検察側は質問しなかった。

西山さんは確定審の公判で否認に転じたが、大津地裁で懲役12年の判決を受け、07年に最高裁で確定した。第2次再審請求審で大阪高裁は17年、

弁護側が提出した医師の鑑定書などから「患者は不整脈で自然死した可能性がある」と指摘し、再審開始を決定。最高裁も支持し、確定した。

再審公判に向けた協議で検察側は当初、争う方針を示していた。だが、19年10月に一転して「裁判所の認定を覆すに足りる証拠の提出は困難」などとして、新証拠による有罪立証をしない方針を明らかにしていた。

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