北朝鮮、中韓ロと交流遮断 新型肺炎に危機感強く

2020/2/2 18:12
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空港施設で消毒活動をする係員(1日、平壌)=AP

空港施設で消毒活動をする係員(1日、平壌)=AP

【ソウル=恩地洋介】北朝鮮が新型コロナウイルスによる肺炎の流入に厳戒態勢を敷いている。中国やロシアとつながる航空便や鉄道の運行を停止し、韓国との交流窓口である開城(ケソン)の連絡事務所まで一時閉鎖した。脆弱な防疫や医療体制の下、感染病の広がりは指導部を揺るがす脅威となるからだ。

中国の国有鉄道会社、中国国家鉄路集団などによると、1月31日から中朝境界の遼寧省丹東市と平壌を結ぶ列車や吉林省集安市と北朝鮮の満浦市を結ぶ列車が停止した。北京やロシア極東のウラジオストクと平壌を結ぶ高麗航空の航空便も運行を取りやめたもようだ。

北朝鮮は人の流入を徹底遮断しようとしている。中国から入国した外国人は1カ月の隔離措置をとるという。軍事境界線で隔てられた韓国側との唯一の接点である開城の南北共同連絡事務所も業務を取りやめ、連絡は直通電話に切り替えられた。

北朝鮮指導部は感染症が収まるまで「国家非常防疫体制」をとると宣言し、メディアは連日、関連報道を続けている。1日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」の社説は「万事に優先して予防対策に総力を注がなければならない」と訴え、国境封鎖や外国人との接触遮断などの対策を厳格にすると説明した。

03年の重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)や15年の中東呼吸器症候群(MERS)など、過去に感染病が流行した際にも北朝鮮は同様の封鎖政策をとった。首都の一部を除き衛生環境は劣悪で、ひとたび感染症の流入を許せば大流行を食い止めるすべがなくなる可能性が高いためだ。

金正恩(キム・ジョンウン)委員長の活動にも影響を及ぼす可能性がある。北朝鮮専門家によると、最高指導者への感染を防ぐため側近すら遠ざけられる。14年にアフリカを歴訪した当時の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長は、エボラ出血熱への感染警戒から中朝境界で3週間隔離されたとされる。

もっとも、経済制裁が長引くなかで支援を期待する中国との交流停止は大打撃となる。北朝鮮は経済面で中国に深く依存しており、現在の状態が長期化すれば国内経済に深刻な影響が出るのは必至だ。

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