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大崎、出産経て代表選出 女子バスケで異例の復帰

Tokyo2020
2020/2/3 3:00
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女子バスケットボールで2016年リオデジャネイロ五輪に出場したセンター大崎(旧姓間宮)佑圭(29)が、出産を経て約2年半ぶりに日本代表に復帰した。18年末の長女誕生に合わせて事実上引退し、今季はWリーグにも登録していないが、「チャレンジせずに東京五輪を見逃すことはできない」と再出発を決断した。日本の女子バスケット界ではトップ選手が出産後に再びプレーした事例はないという。「今後の女性アスリートに道を広げたい」との気持ちも大きな原動力になっている。

約2年半ぶりに日本代表に復帰した大崎

約2年半ぶりに日本代表に復帰した大崎

1月20日に東京都内で始まった、候補選手17人による代表合宿。渡嘉敷来夢(JX-ENEOS)や高田真希(デンソー)らインサイド陣と体をぶつけ合い、フリーになれば3点シュートを決める。特にポジション取りのうまさでブランクを感じさせなかった大崎は「バスケの体力はバスケでつけていかないといけない」と戒めつつ、「思ったより対応できた」と充実した表情を見せた。

昨年秋に現役復帰の相談を受けた際、「ポジションはあげない。トライアウト」と伝えた日本代表のホーバス監督も「全然悪くない。逆にシュートはうまくなった」と高評価。2月6~9日にベルギーで行われる東京五輪の最終予選のメンバー12人に、29歳のママさんアスリートの名も加わった。

身長185センチの大崎はJX-ENEOSで渡嘉敷と共にゴール下を支配し、リーグ連覇に貢献。長く日本代表でもプレーし、主力としてリオ五輪に出場した。妊娠が判明した18年に同社を退社し、同年12月下旬に長女を出産。再びコートに戻るつもりはなかったが、「東京五輪が近づくにつれて高まる周囲の期待に応えたい」との思いが次第に膨らんだという。

一時は地元の体育館などで自主トレを重ね、今も所属チームはない。長女の預け先のメドがついた昨年12月にようやく本格的なトレーニングを再開したばかりだ。

今回の最終予選で、世界ランキング10位の日本は同4位のカナダや同9位のベルギーなどと対戦する。既に開催国枠で五輪出場を決めてはいるが、本番までに強豪と真剣勝負ができる絶好機。ホーバス監督も「一番強いチームで挑む」と意気込む重要な強化の場になる。

1月の代表合宿でプレーする大崎(右)。戦力として認められ、2月の東京五輪最終予選のメンバーに選ばれた=共同

1月の代表合宿でプレーする大崎(右)。戦力として認められ、2月の東京五輪最終予選のメンバーに選ばれた=共同

インサイドの主軸である渡嘉敷と高田も、フィジカルに勝る海外勢との攻防で激しく消耗するのは必死だ。「2人をちゃんと休ませられるように。(ホーバス監督が)安心して使えるように」と大崎は自らの役割を強調する。

「東京五輪へ一本勝負」と話し、今後もWリーグの選手として復帰する意志はない。代表の選に漏れれば今度こそ第一線を退く覚悟だが、豊富な経験に裏打ちされた駆け引きや体の強さが格上にも通用することを示せば2度目の大舞台出場も現実味を帯びてくる。

他競技を見渡せば、五輪5大会連続メダルの柔道の谷亮子や東京五輪出場を目指すチームの主将に就任したバレーボールの荒木絵里香ら、出産後に第一線に復帰した選手は日本でも少しずつ増えてきている。ただ日本バスケットボール協会によると、バスケットでは代表クラスの選手が出産後に復帰した事例はないという。

折しも米国の女子プロリーグWNBAと選手会の間では、選手の出産休暇中も給与が満額支払われることや、年間5000ドル(約54万円)の育児手当金が支給されるといった労使協定が決まったばかり。一方、Wリーグには選手の出産に関する規定はない。

「(長女の一時保育にかかる費用などで)今は大赤字だけど、良くも悪くもあと半年」と大崎は笑う。全力でバスケットに向き合うためには想像以上のサポートが必要だと実感したようで、「代表活動中にコンスタントにベビーシッターらが同行するような保証がされれば」といった改善策も提言する。ヒリヒリした真剣勝負の場に再び戻れる喜びと、後進に新たな道を切り開く使命感。多くの思いを秘め、一日一日を全力で突き進もうとしている。

(鱸正人)

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