英がEUを離脱、47年間の加盟に幕 通商協議焦点に

2020/2/1 8:00
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【ロンドン=篠崎健太】英国は31日午後11時(日本時間2月1日午前8時)、欧州連合(EU)から離脱した。EUの前身である欧州共同体(EC)から47年間にわたる加盟国の地位に幕を下ろした。ジョンソン首相は「新たな時代の夜明けだ」と訴え、EUから権限を取り戻す意義を強調した。離脱前と同じ環境が保たれる年末までに、英・EU間で新たな経済・通商関係を築けるかが大きな焦点となる。

英国のEU離脱を喜ぶ人たち(31日、ロンドン)=三村幸作撮影

英国のEU離脱を喜ぶ人たち(31日、ロンドン)=三村幸作撮影

EUは母体となった欧州石炭鉄鋼共同体ができた1952年以来、加盟国の数が初めて減った。2度の世界大戦後に出発した欧州統合と拡大の歩みは、重しとなってきた主要国の離反で歴史的な節目を迎えた。

ジョンソン氏は離脱にあたり国民向けの動画メッセージを出し「国家として真の再生と変革の瞬間だ」と語った。16年6月の国民投票から約3年半の曲折を経ての実現に「最も重要なのは終わりではなく始まりだということだ」と述べた。「この国を1つにまとめて前に進めることが私の仕事だ」と強調し、離脱と残留で意見の対立が続く国民に団結を呼びかけた。

英国がEUを離脱し、気勢を上げる人たち(31日、ロンドン)=三村幸作撮影

英国がEUを離脱し、気勢を上げる人たち(31日、ロンドン)=三村幸作撮影

激変を避けるための「移行期間」として、20年末までは現状の英・EU関係が保たれる。加盟国とほぼ同じ状況が続くこの間に、英国は新たな将来関係をまとめる必要がある。EU経由で貿易自由化を進めてきた、日本など第三国とも通商協定の再構築が必要だ。移行期間は22年末まで延ばせるが、ジョンソン氏は拒む方針を貫いている。時間切れによる「無秩序な離脱」のリスクは続く。

英政府は離脱前最後の閣議を同日、英北部サンダーランドで開いた。国民投票時に「離脱」多数の結果が最も早く判明した象徴的な地で、ジョンソン氏は「3年半の分断から新たなページをめくる」と力を込めた。今後のEUとの通商交渉に関し、貿易の8割をカバーする自由貿易協定(FTA)を3年以内に結ぶ目標を確認した。

EU加盟国として最後の日を迎え、ロンドンの英国会議事堂前には離脱支持者と反対派がそれぞれ集結した。広場を埋め尽くした市民からは歓声や悲嘆の声が響いた。

世論が激しく分断している状況を踏まえ、英政府は離脱の祝賀ムードの演出を控えた。ジョンソン氏が事前収録のメッセージを出したり、首相官邸の壁に離脱までのカウントダウンを投影したりするにとどめた。一方、EU本部があるブリュッセルでは31日夜、欧州理事会や欧州議会といったEU施設から英国旗がひっそりと降ろされた。

英国がEUを離脱し、気勢を上げる人たち(31日、ロンドン)=三村幸作撮影

英国がEUを離脱し、気勢を上げる人たち(31日、ロンドン)=三村幸作撮影

EU離脱で英首相官邸に映し出された、国会議事堂の時計台「ビッグベン」の映像(31日)=AP

EU離脱で英首相官邸に映し出された、国会議事堂の時計台「ビッグベン」の映像(31日)=AP

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