埼玉りそな銀行 福岡次期社長「存在価値、一層高める」

2020/1/31 19:41
保存
共有
印刷
その他

りそなホールディングス(HD)は31日、埼玉りそな銀行の池田一義社長の後任にHDの福岡聡取締役を充てる人事を正式発表した。福岡氏は同日、埼玉県庁で記者会見し「地域金融機関として存在価値を一層高めることが使命だ」と抱負を語った。低金利の長期化や異業種との競争激化など課題が山積するなか、県内トップ行を率いる経営手腕が試される。

意気込みを語る福岡次期社長(左)と池田社長

意気込みを語る福岡次期社長(左)と池田社長

福岡氏は埼玉県出身で1989年に旧埼玉銀行に入行。2002年のりそなグループ発足後も埼玉りそな銀行での勤務が長く、企画部や経営管理部などで要職を歴任した。財務に明るく、簡潔明瞭な説明で機関投資家らの評価も高いという。会見に同席した池田社長は福岡氏について「非常に冷静で大局的な判断ができる」と期待を示した。

埼玉県内の金融機関で埼玉りそな銀の存在感は際立っている。預金、融資の県内シェアはそれぞれ40%を超え、県内の大半の自治体の指定金融機関を務める。福岡氏は県内経済について「人口が増加し、経済力もトップの水準にある。直近では消費の弱含みもみられるが、緩やかな経済成長を描けていける」との見方を示した。

だが、同行の本業の業績は厳しい。日銀が16年に導入したマイナス金利政策の影響で低金利が長期化し、融資による利息収入は低迷が続く。16年3月期に626億円だった同行の実質業務純益は19年3月期には392億円まで減少した。他県の金融機関の進出やフィンテック企業の台頭で競争環境も激化している。

埼玉県も近い将来、人口減少局面に入る見通しだ。同行はグループ内の役割分担で基本的な営業エリアが埼玉に限られるため、いかに収益源を多角化できるかが浮沈を握る鍵になる。福岡氏は「課題認識の原点は顧客の困り事だ。将来振り返った時に役に立ったと言ってもらえるサービスに挑戦したい」と強調した。

金利に左右されにくい収益構造への改革は池田社長が着手し、安定した手数料収入の確保に向けた下地を固めてきた。15年にりそなグループが公的資金を完済して以降は経営の自由度も増し、18年には企業支援に特化した「ビジネスプラザ」や富裕層向けの相談拠点「プレミアサロン」など、特色のある店舗の出店も実現させた。

福岡氏にはこうした土台を活用しつつ、着実に果実を獲得していく経営が求められる。中小企業へのキャッシュレス決済システムの提供など、次世代の金融サービスの展開にはグループの力を結集して臨む方針だ。福岡氏は4月1日の着任に向けて、20年度からの新たな中期経営計画の策定も進める。

19年には県内2番手行の武蔵野銀行と業務提携する千葉銀行が横浜銀行との提携にも踏み切るなど、金融業界の再編の動きは各県のトップ行でもめまぐるしく起こっている。異業種と手を組む地方銀行も増えてきた。競争環境は激しさを増す一方だが、福岡氏は「目指す銀行像の実現に向けて、粉骨砕身努力する」との決意を示した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]