九州電力、暖冬・冷夏で減益幅拡大 20年3月期

2020/1/31 19:18
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九州電力は31日、2020年3月期の連結純利益が前期比35%減の200億円になりそうだと発表した。業績予想の下方修正は今年度2回目で、従来予想を100億円下回る。昨夏の天候不順に加え、足元の暖冬で冷暖房需要が伸び悩み、電力販売量が想定を下回る。川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の長期停止が迫るなか、「天候リスク」が顕在化している。

業績下方修正を発表する池辺社長(31日、福岡市)

「肌で感じる気温は暖かいが、我々の経営にとっては非常に厳しい」。同日会見した池辺和弘社長は険しい表情で話した。

下方修正の最大の要因は国内の電力販売不振だ。子会社などを除いた九電単体での小売り販売電力量は増加予想から一転、1%減の714億キロワット時とした。国からの交付金増などで、19年10月に発表した2兆350億円の売上高予想は据え置いたが、天候不順が経営の屋台骨を揺るがしている。

経常利益は24%減の400億円(従来予想は550億円)を見込む。全国的な暖冬により、卸売市場を通した九州域外への電力販売が振るわない。数量減と単価下落による利益圧迫額は70億円に達する。

火力発電の燃料用に調達している液化天然ガス(LNG)も需要低迷による稼働率低下で余剰在庫が膨らみ、転売損失が拡大した。石油価格に連動した長期契約での調達価格に比べて足元の市況が安価に推移しているためだ。火力発電量については九州域内での太陽光発電の拡大も下押し材料になっている。1~3月期の転売損については、長宣也取締役は「今後の需要動向によるが、そう大きく出ることはないとみている」とした。

池辺社長は販売不振への対策として「需要創出を最重要課題として取り組む」と話した。年間35円の配当予想は下方修正後の業績でも「分配できる額はあると判断した」とし、据え置いた。

同日発表した19年4~12月期の連結売上高は微増の1兆5029億円、純利益は95%減の14億円だった。通信情報事業でシステム開発受託などが好調で電力の落ち込みを補った。ただ19年12月に営業運転を始めた石炭火力の松浦発電所2号機(長崎県松浦市)の減価償却費の増加などが採算を圧迫した。太陽光発電事業者からの電力買い取り費用増加も響いた。(山田和馬)

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