飲み代無料の社内バー アークレイ
はたらく

2020/2/3 2:00
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気軽に使えるバーで社内交流を促進(京都市)

気軽に使えるバーで社内交流を促進(京都市)

医療機器製造のアークレイの京都市上京区の本社内には「論談バー」と名付けたバーがある。和洋酒を取りそろえ、部署や上司・部下の垣根を越えた会話に花が咲く。研究開発型の企業として、社員の交流で発想の「化学反応」を起こす狙いもある。

午後5時半の終業時刻を過ぎると、1階のバーカウンターに人が集まり始める。入社2年目で糖尿病検査の研究に従事する杉山周平さん(25)もよく使う。「うちの会社にはバーがある」と社外の同級生に話すと「びっくりされ、うらやましがられる」。同僚と研究の改善点を議論することもあり「企業秘密を気にせず話せるのも利点」と話す。

現在は本社機能も置く研究所内にバーが「開業」したのは2011年。「当時、関西であまり聞いたことのない試みだった」(広報宣伝チーム)。社員の活発な議論を期待した経営層が「論談バー」と名付けた。

社員食堂の隣の約70平方メートルのスペースで、ビール、ワイン、ウイスキー、日本酒などをそろえる。互いの顔が見えやすいよう中央のカウンターはロの字型。社長らもふらっと立ち寄り、時には社員がシェーカーを振る。唯一のルールは独りで黙々と飲まないことだ。

当初は予約制で、アルコール類は1杯100円、ソフトドリンクは同50円を徴収していた。17年11月、予約制を撤廃して飲料を無料にしたところ、利用者が急増。いまや月平均延べ約450人が杯を酌み交わす。

「ここなら本音を言える」と話すのは、営業サポートに携わる東野功嗣さん(48)。コストにとらわれず、より良い製品の開発に向けて夢を語れるという。異なる部署の人でも、バーで会ったことがあれば会議でのコミュニケーションが円滑になり「社員間の遠慮を溶かしてくれる」。

事前のワンクッションの効能は小さくない。研究職の女性社員(29)は「バーで軽く飲んで知り合った後だと、外での飲み会にも行きやすくなる」。若手にとり、ベテランとの「飲みニケーション」のハードルを下げる効果もあるという。

「閉店」時刻は決められていない。「飲み代タダ」となればついつい長居してしまいそうだが、そこは社内。「酔客」もおおむね午後10時半ごろまでには切り上げるという。「酔っ払ってその場で寝始める人はいません」(同社)としている。

(黒滝啓介)

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