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WHO、新型肺炎で緊急事態宣言 拡大防止へ国際協力

(更新)

【ジュネーブ=細川倫太郎】世界保健機関(WHO)は30日夜(日本時間31日未明)、中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎について「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」と宣言した。中国以外にも感染が広がり始めた事態を重くみて、感染拡大防止には国際的な協力態勢が必要と判断した。ただ、現時点では中国への渡航や貿易の制限などは必要ないとした。

緊急事態宣言はアフリカ中部で広がったエボラ出血熱に対して2019年7月に出して以来、今回が6件目。感染症などの専門家による緊急委員会を同日開催し、緊急事態に該当すると判断した。緊急委の討議結果をふまえ、テドロス事務局長が宣言した。記者会見したテドロス氏は「我々はウイルスが医療態勢の脆弱な国に広がることを最も懸念している」と述べた。

WHOは22~23日にも緊急委を招集したが、この時は世界的な感染拡大は生じていないため、「時期尚早」として宣言を見送った。WHOは今回、中国で感染者数の歯止めがかからず、中国国外でも感染拡大が明確になってきたことで、早期終息には国際社会にさらなる医療態勢の強化やワクチン開発を促し、流行を防ぐ措置をとるよう求めることが必要と判断した。緊急事態宣言が出たことで、ヒトやモノの移動がさらに鈍る恐れがあり、中国経済にとっては打撃になりそうだ。

中国の湖北省武漢市では19年12月から原因不明の肺炎の発症が相次ぎ、9日に新型コロナウイルスが検出されたことが分かった。以降、中国を中心に感染者が短期間で急増し、日本や米国、タイなど国外にも広がった。WHOによると、30日時点の感染者数は7818人、死者は約170人に達した。日本やベトナムではヒトからヒトへの感染も確認された。

WHOの緊急事態宣言は感染力や致死率などの分析を基に「国際的に病気が拡大して他国に公衆衛生の危険をもたらす」うえ、「緊急に国際的な対策が必要」と判断した際に勧告と合わせて事務局長が出す。ただ、勧告は各国が従うべき目標で、拘束力はない。国際社会に危機的状況を幅広く周知させる意味が大きく、各国政府や企業から資金や物資など支援が拡大する効果も期待できる。

過去にWHOが緊急事態宣言を出したケースでは、09年に世界的に流行した新型インフルエンザ、14年にパキスタンなどで拡大したポリオ(小児まひ)などがある。

新型コロナウイルスに対する有効なワクチンや特別な治療法はまだ見つかっていない。コロナウイルスは、くしゃみなどで飛び散るしぶきなどからうつって、発熱やせきなど風邪に似た症状が出る。症状が悪化すると肺炎に進行する恐れがある。

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