泉佐野市長「受け入れ難い」 ふるさと納税で敗訴

2020/1/30 19:57
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総務省がふるさと納税制度から大阪府泉佐野市を除外した決定をめぐり、同市の取り消し請求を退けた30日の大阪高裁判決について、千代松大耕市長は記者会見で「本市の訴えがほとんど認められず、受け入れ難い」とコメント。最高裁に上告すると明らかにした。

ふるさと納税訴訟で請求が棄却され記者会見する泉佐野市の千代松市長(右)=30日午後、大阪市北区

同市は訴訟で「昨年5月まで返礼品に法的規制はなく、総務省の要請に従わないことを理由に(その後の制度から)除外したのは地方自治法違反」などと主張。だが判決は「突出した返礼品を寄付という枠組みの中で是正すべきだった」などと指摘し、同市の訴えをことごとく退けた。

判決で「制度趣旨に反する」と指摘された同市の取り組みの背景には、かつて財政危機に陥り住民サービスが停滞したことへの危機感がある。

関西国際空港が立地する同市は関空関連の投資が重く、2008年度決算で財政破綻の懸念があるとされる「早期健全化団体」に転落。千代松市長はふるさと納税や施設の命名権売却など税外収入の確保に努めてきた。13年度決算で同団体を脱却したが、今も多額の借金を返済している。

格安航空会社(LCC)のポイントを返礼品にするなどしたのは、特産物が少ないハンディを補う苦心の策。寄付金は古くなった学校の机や椅子の買い替えなどに充てている。敗訴で制度への復帰のめどが立たなくなったが、千代松市長は「学校へのプール設置などは実現させたい」と語った。

「不利益な扱い、あってはならない」

30日の大阪高裁判決を受けて千代松大耕市長は阪上博則・市長公室成長戦略担当理事らと記者会見を開いた。主な一問一答は以下の通り。

――判決の受け止めは

(千代松市長)主張を認めてもらえると考えていたので、主文を聞いたときに驚いた。残念に思う。到底受け入れ難く、上告の手続きを進めたい。

ふるさと納税制度を拡充する中で、国はもう少し早く法改正すべきだった。(本市は)自治体を(法的拘束力のない)「技術的助言」によって押さえつけるやり方はどうなんだ、と戦っている。(ふるさと納税については)個別の自治体の取り組みではなく制度全体が批判されているのではないかと受け止めている。

――判決が地方自治に与える影響をどうみるか

(市長)こうした不利益な扱いがまかり通ることはあってはならない。最高裁で本市の主張が認められるよう戦っていく。

――制度への復帰の見通しは

(市長)分からない。できるだけ早期に復帰したい。

(阪上理事)今年7月に申請はできるが、除外される可能性が高いと考えている。(泉佐野市が集めた)寄付額が(返礼品に地場産品を採用するなど)通常の範囲内で集めた額と比較して著しく高いことが問題だ、という指摘だが、状況は毎年変わる。基準がどうなるのか分からないので、見通しも付かない。

――魅力的な地場産品がない自治体は不利との指摘がある中で、制度が続くことをどう考えるか

(市長)自治体間の公平性をいうのなら地場産品の有無で大きな格差が生じている、という主張は以前から行っている。

(理事)大阪府下の市町村は地場産品が乏しいところがほとんどだ。全国の多くの自治体で寄付額が増えているというデータもあるが、地域資源の乏しい市町村への寄付が減っているということではないか。

――泉佐野市の財政改善に支障は出ないか

(市長)ふるさと納税に積極的に取り組む以前から、税外収入の確保などの取り組みを進めている。これからも(ふるさと納税以外の手段も含めた)歳入確保と歳出削減に努めていく。

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