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リニア、静岡の膠着抜け出せるか 国と県が有識者会議

昨年10月から停滞している静岡県内でのリニア中央新幹線の着工を巡る議論が動き出す見通しになった。国土交通省と静岡県は30日、大井川の水量などへの工事の影響を議論する有識者会議の設置に合意した。県の懸念を除くことができれば、着工へ前進する。ただ、県は生態系への影響など広範な検証を求めており、2027年のリニア開業はまだ見通せない。

リニアの工事が各地で進む中、南アルプストンネルの静岡工区は着工できていない。静岡県の川勝平太知事が、工事をすると約60万人が利用する大井川の水量が減る恐れがあるとしているためだ。県とJR東海は湧き出る水を戻す手法などを協議してきたが、議論は膠着した。

リニアの開業予定時期は27年で、JRは19年度中の着工を目指していた。国交省は打開に向け、1月17日に県に対してトンネル工学や水問題の専門家による有識者会議の設置を提案した。30日には県が受け入れを表明した。

議論すらできない状態からは少し前進したが、課題は多く残っている。県は会議の公開や県の推薦者の参加、会議トップの中立性など5項目を要望し、このうちの一つとして生態系への影響など47項目の議論を求めた。県の難波喬司副知事とともに記者会見した国交省の水嶋智鉄道局長は「真摯に受け止めたい」としたが、幅広い議論には時間がかかる。

国交省と県は5項目の取り扱いや会議の運営方法などについて調整する協議を来週にも開く。47項目は県とJR東海が議論してきたもので、早期に結論を出すには議論を引き継ぐ必要がある。

会議でまとまった意見が今後の手続きにどのように活用されるのかも焦点だ。難波副知事は「(まとまった内容を)県に示して強要するものではない」と強調した。一方、県が委員の選定に関与する限り、会議の結論は県も無視できないとの見方はある。

有識者会議が「着工ありき」の議論に傾けば、県は慎重な姿勢にならざるを得ない。国交省は県の要望項目を丁寧に検証しながら、一定の期間内に結論を出すという難しい作業を求められる。

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