鹿島と竹中、技術開発で連携 省人化で人手不足解消

2020/1/30 14:36
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鹿島と竹中工務店は施工の効率化で技術連携する

鹿島と竹中工務店は施工の効率化で技術連携する

建設大手の鹿島と竹中工務店は30日、技術開発で包括連携すると発表した。省人化や効率化の研究を進め、慢性的な人手不足の解消を目指すとともに、将来の建設市場の縮小にも備える。業界ではこれまで個別のテーマで共同研究することはあったが、包括的な連携は初めて。両社は他の大手にも参加を呼びかけるとしている。

鹿島は連結売上高で業界2位、竹中は5位。両社横断の「建設RXプロジェクト」という組織を立ち上げた。鹿島と竹中から、建築部門や技術研究所などの社員が計10人ほど集まり、共同開発するテーマや方針などを話し合う。RXはロボティクストランスフォーメーション(ロボット変革)を意味する。

RXプロジェクトの下にテーマごとの分科会を設け、具体的な研究を進める。ロボットやあらゆるモノがネットにつながる「IoT」などがテーマになっている。開発コストや人件費の負担は、個社で開発する場合に比べ半分になる。

両社は今後、タワークレーンを遠隔操作するためのシステム開発や建設資材を自動搬送するシステムの開発を共同で進める。竹中が開発した工事現場の清掃ロボットや、鹿島が開発した鉄骨の溶接ロボットなども、相互に利用する。

両社はかねて資材の自動搬送システムで共同開発を進めており、それを発展させる形で今回の包括連携につながったとしている。

都内で開いた共同記者会見で、竹中工務店の村上陸太執行役員は「大手5社で同じ研究をし、同じ失敗をしていることもあった。開発を効率化する余地は大きい」と狙いを話した。

建設業界には2024年から残業規制が導入される。慢性的な人手不足に拍車がかかるおそれもあり、省力化や効率化は待ったなしだ。鹿島の伊藤仁常務執行役員は「残業規制で労働時間が15%減る」と試算し、「それまでに可能な限り開発を進めたい」と語る。

建設業ならではの事情もある。東京五輪・パラリンピックや好景気に支えられ、足元の工事量は多い。しかし人口減で長期的には市場が縮小することが懸念されている。

各社はこれまで個別の共同研究は進めているが、リニア中央新幹線の建設工事を巡る入札談合事件などの影響で包括的な提携に踏み出すことに対しては及び腰との見方も一部にあった。しかし業界を取り巻く環境の激変や危機意識が両社の背中を押したともいえる。

鹿島の伊藤常務執行役員は記者会見で「他の建設会社の参加も歓迎する」と呼びかけた。

(桜井豪)

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