武漢から帰国の12人が入院 5人は新型「陰性」

2020/1/29 17:50 (2020/1/30 1:07更新)
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中国・武漢から帰国後に搬送された数人の症状について、記者会見する都立駒込病院感染症科の今村顕史部長(右から2人目)ら(29日、都庁)

中国・武漢から帰国後に搬送された数人の症状について、記者会見する都立駒込病院感染症科の今村顕史部長(右から2人目)ら(29日、都庁)

新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、29日に政府のチャーター機で中国・武漢市から帰国した邦人206人について、厚生労働省は同日、計12人がせきなどの症状を訴えて入院したと明らかにした。関係者によると、うち帰国直後に病院に搬送された5人は遺伝子検査で陰性が確認されたが、発症リスクは否定できないとして経過観察を続ける。残り7人も感染の有無を検査している。

また菅義偉官房長官は29日午後の記者会見で、武漢市で重度の肺炎を発症し入院中の60代の日本人男性について「入院先の病院の検査の結果、新型コロナウイルスの陽性の疑いが高いが、最終的な判定結果が確定していないと連絡があった」と述べた。

東京都によると、29日午前に羽田空港に到着した206人のうち、30~50代の男性3人と50代女性2人の計5人に発熱やせきなどの症状がみられた。5人のうち4人は感染症指定医療機関である都保健医療公社の荏原病院(東京・大田)、1人が都立駒込病院(東京・文京)に搬送された。

5人から採取された検体は国立感染症研究所(東京・新宿)の施設などで、新型ウイルスへの感染の有無を検査。関係者によると、29日夜までに陰性との結果が出たという。

都や両病院によると、陰性となった5人のうち、荏原病院に入院した40代男性と50代男性がコンピューター断層撮影装置(CT)による画像などから肺炎と診断されていた。

また厚労省によると、29日に帰国した206人のうち別の7人にも入国後の診察で発熱やせきが認められた。都内の病院に入院し、感染の有無を検査している。

特段の症状がなかった191人は、経過観察のため「勝浦ホテル三日月」(千葉県勝浦市)に一定期間宿泊する。内閣官房によると、ホテル全体を政府が借り上げ、帰国者のみが宿泊する。滞在費は公費の負担になる。

頭痛のみの症状があった1人と検査の同意が得られなかった2人は帰宅した。厚労省は少なくとも2週間は外出を控えるよう求めた。

外務省は28日時点で、邦人の帰国希望者を約650人と確認していたが、29日になって希望者が増えているという。第2陣のチャーター機は29日夜に羽田空港を出発、約200人の在留邦人を乗せて30日朝に帰国する予定だ。第3陣以降は中国政府と日程を調整中という。政府はチャーター機で帰国した人に対し、片道のエコノミークラスの正規料金に相当する約8万円を求める意向だ。

ウイルスが発生した武漢市からの帰国者が続くため、厚労省は29日、武漢滞在歴のある人などの情報を一元管理する「健康フォローアップセンター」を省内に開設した。最長2週間とされる潜伏期間中、電話やメールで発熱やせきなどの症状の有無を確認する。

政府は中国以外からの訪日客の水際対策も強化する。例えば、中国との人の出入りが激しい台湾などの国・地域から入国する際は特に検査態勢を充実させる。

都も29日、幹部らによる対策会議を開いた。小池百合子知事は武漢市からの帰国者たちのために一時的な宿泊施設を準備する方針を明らかにした。ホテル業界などへ協力を呼びかけるとともに、都が所有する研修施設も一部活用する考えを示した。

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