横浜市の20年度予算案、企業誘致や保育・教育に重点

2020/1/29 17:16
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横浜市は29日、一般会計の総額が1兆7400億円となる2020年度予算案を発表した。新市庁舎建設などの大型投資が一服し、19年度比で1.2%減と6年ぶりに前年度を下回った。20年度は経済成長と暮らしの充実に向け、産業振興や保育・教育に重点配分した。カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致や新劇場の建設計画費も盛り込み、事業を推進する。

横浜市の林市長は東京五輪などを踏まえ「チャンスを最大限に生かしたい」と述べた(29日、横浜市)

横浜市の林市長は東京五輪などを踏まえ「チャンスを最大限に生かしたい」と述べた(29日、横浜市)

林文子市長は29日の記者会見で「横浜は20年、数多くのチャンスを迎える」と強調。東京五輪・パラリンピックの開催やクルーズ船の受け入れ体制の強化、集客施設の開業などを生かしながら「大きなチャンスを最大限生かしていきたい」と述べた。

市税収入は19年度比で1%増の8461億円の見込み。個人市民税が3%増えるが、法人市民税は税制改正による国税への変更などが響き20%(116億円)減となる。市民がほかの自治体に寄付したふるさと納税による減収額は151億円(19年度は136億円)を見込んでいる。

歳出では非正規職員の新制度導入で人件費が3%増えるほか、保育・教育や障害者支援の負担増で扶助費も3%増となる。義務的経費の割合は62.1%と19年度に比べ2.5ポイント上昇する見込みだ。

市が将来的な税収源と期待し、19年に誘致を表明したIR関連は4億円を計上した。事業者の公募・選定を進めるほか、インフラ施設や交通アクセスを調査・検討する。林市長が力を入れる新たな劇場の設置については基本計画の検討や管理運営に関して調査する。

20年度予算案で重点配分した経済活性化策では、小規模事業者の資金繰り安定などに向けた制度融資メニューを新設する。深刻化する人手不足に対応するため、市内中小企業で働く魅力の発信や外国人材の活躍に向けて支援する。新規就農者に農機などを助成する事業も新設する。

保育・教育では、待機児童の解消に向けて保育所整備とともに幼稚園での2歳児受け入れを推進する。保育所などで受け入れ枠を新たに約2000人分増やす。20年度から小学校で必修化されるプログラミング教育に対応するため、ICT(情報通信技術)環境を整備する。

米軍施設の跡地利用の具体化も進める。返還された旧上瀬谷通信施設の整備に向けた土地区画整理事業や新たな交通整備に向けた測量・設計などに着手する。

19年度に台風被害への対応が膨らんだことなどから、財源不足を埋めるために財政調整基金は19年度と同額となる36億円を用い、新たに減債基金も200億円活用する。

政策経費を税収でまかなえているかどうかを示す「プライマリーバランス」について、林市長は「21年度までの中期4カ年計画の中で間違いなく均衡できる」と指摘。一方、人口減少や少子高齢化を踏まえ、産業振興やIR誘致などの政策を生かして財政健全化に取り組む方針を強調した。

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