ソフトバンク、5Gで建設現場の遠隔運用を実証

ソフトバンクは大成建設と共同で、次世代通信規格「5G」を使って複数の機器を同時に接続する建設現場向けの実証実験をこのほど実施した。北海道余市郡で建設中のトンネル内に5G基地局を設置し、トンネル内の複数のセンサーと通信接続した。基地局から1400メートル離れた建設機械を遠隔操作するなど通信状況を確認した。作業員の安全確保につなげる。
実証実験は2019年12月に北海道余市郡の後志トンネルで実施した。ソフトバンク子会社のワイヤレスシティプランニング(WCP、東京・港)が実証実験を総務省から受託し、ソフトバンクが持ち運びできる5G基地局「おでかけ5G」を設置。大成建設が建設現場や建設機械、作業員を提供した。
複数の機器を同時に接続できる5Gの特徴を活用。トンネル内に一酸化炭素などを検知する6種類のセンサーを設置し、作業員には脈拍などを測るウェアラブルセンサーを付けた。
26台のセンサーやカメラを5G基地局に同時接続し、通信環境を検証した。油圧ショベルなどの建設機械を1400メートル離れた操作室から遠隔操作し、動作を確認した。
実証実験ではデータセンターではなく利用者やモノの近くでデータを処理する「エッジコンピューティング」技術を活用。工事現場でも遅延のない通信環境を構築できるようにした。
複数のセンサーによるガスの検知や建設機械の遠隔操作で、落盤や土砂崩れ、火災などの事故に人が巻き込まれないようにし、工事現場の安全性の向上につなげる。