トランプ氏、中東和平案は選挙対策か 3つのポイント

3ポイントまとめ
2020/1/29 11:47
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28日、ホワイトハウスで中東和平案の発表に臨んだトランプ米大統領(左)とネタニヤフ・イスラエル首相=ロイター

28日、ホワイトハウスで中東和平案の発表に臨んだトランプ米大統領(左)とネタニヤフ・イスラエル首相=ロイター

トランプ米大統領は28日、イスラエルとパレスチナの中東和平案を発表しました。一定の条件のもとでパレスチナに独立国家の建設を容認しましたが、双方が帰属を争うエルサレムの扱いを「イスラエルの不可分の首都」と位置づけるなど、イスラエル寄りの内容となっています。これまでの経緯やトランプ氏の思惑についておさらいします。

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(1)中東和平とは

イスラエルとパレスチナの平和共存を目指すための取り組みを指します。ナチスドイツによる虐殺をはじめとする迫害を逃れたユダヤ人はアラブ系のパレスチナ人が暮らしていた現在のイスラエルの地に移住し、ユダヤ人国家建設にまい進しました。1947年、国連総会はパレスチナ分割決議を採択し、48年にイスラエルは建国を宣言しました。アラブ諸国との4度にわたる中東戦争の結果、イスラエルはエルサレムやヨルダン川西岸などに占領地域を広げました。93年のオスロ合意(暫定自治宣言)は双方の立場を認めて和平への話し合いを始めた画期的な出来事でしたが、治安対策などを巡る双方の相互不信は根深く和平交渉は暗礁に乗り上げていました。

オスロ合意から25年、パレスチナ和平は暗礁に

(2)パレスチナは拒否

トランプ政権の和平案はパレスチナに対し、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区におけるユダヤ人入植地のイスラエル主権を認め、エルサレムをイスラエルの首都と認定することなどを求めています。一方、パレスチナ側は国際法に違反するとされる占領地への入植活動に強く反発し、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地が集まる旧市街を含む「東エルサレム」を将来の独立国家の首都と位置づけてきました。パレスチナ自治政府のアッバス議長は28日「エルサレムは売り物ではない」「陰謀であり、実現しない」などと述べ、和平案の受け入れを拒否しました。

パレスチナ議長、米和平案の受け入れ拒否

「エルサレムを首都に認定」トランプ氏が正式表明

(3)目的は平和の実現より再選?

トランプ氏は11月投票の大統領選で再選を目指していますが、いわゆるウクライナ疑惑を巡る弾劾裁判に直面しています。疑惑を巡っては、同氏の重要な支持者であるキリスト教福音派という保守層からも批判が出ていました。福音派は親イスラエルで、「和平案」とうたいながらも中東の安定は二の次に、イスラエルを支持する姿勢を鮮明にして福音派の歓心を買おうとしているようにみえます。

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