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最高益アップル 中国肺炎の影 クック氏「販売に影響」

新型肺炎で中国の販売などに影響が出ている=ロイター

米アップルに新たな課題が浮上している。28日発表した2019年10~12月期は過去最高益を更新したが、中国で感染拡大が続く新型肺炎が経営リスクになりつつある。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は決算の電話会見で「この数日で中国全域の販売に影響が出た」と説明した。中国には「iPhone(アイフォーン)」などの生産拠点も集中しており、販売と生産の両面で影響が広がる恐れがある。

アップルが28日発表した19年10~12月期決算は、売上高が前年同期比9%増の918億ドル(約10兆円)、最終利益は11%増の222億ドルだった。アイフォーンの販売増に加え、腕時計型端末「Apple Watch」も伸び、売上高と最終利益はそろって2年ぶりに過去最高を更新した。

ただ28日の電話会見でアナリストが警戒したのは、中国湖北省・武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大の影響だった。

クック氏は「影響を受けている地域のアップルの従業員やパートナーと緊密に協力している」と説明した。部品メーカーの立地によって、中国の春節(旧正月)明けの工場再開時期が「(当初予定の)1月末から2月10日に延びる」と話した。新型肺炎の感染が拡大する武漢にも複数の部品企業の拠点があるが、「すべて代替先がある」と指摘。他の地域の工場からの調達に振り替えるなど「生産面の損失を軽減するべく動いている」という。

販売面では、一部の店舗を閉鎖したほか「(中国の)多くの店舗で営業時間を短縮している」と話す。武漢地域の売り上げ規模は大きくはないが、中国全域で販売への影響が表れている。アップルは28日、20年1~3月期の売上高が630億~670億ドルになるとの予想を公表。新型肺炎の影響を考慮して「より広い売り上げの幅で予想を出した」(クック氏)。

アップルの主要取引先の所在地などをまとめた「サプライヤーリスト」によると、同社と取引のある約200社のうち、電子機器の受託製造サービス(EMS)最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と、放熱機構部品などを手掛ける台湾のアジア・バイタル・コンポーネンツ(AVC)の2社がそれぞれ1カ所ずつ武漢市に拠点を持つ。湖北省に隣接する湖南・陝西・河南・安徽・江西の5省と重慶市を含めると、リストに掲載された取引先の拠点数は約40に上る。これは中国本土に所在するアップルの取引先の拠点数の1割に相当する規模だ。

アップルは一部の新興国向けモデルなどを除くほぼ全てのiPhoneを中国で組み立てており、サプライチェーン全体では中国で500万人の雇用を創出しているとされる。

19年10~12月期の中華圏(香港、台湾を含む)の売上高は135億ドルと、アップル全体の15%を占めた。最新機種「11」シリーズのヒットなどで中華圏の売上高は5四半期ぶりに前年実績を上回る水準に回復していただけに、新型肺炎の問題は業績拡大シナリオの前提を狂わせる可能性もある。(シリコンバレー=白石武志、佐藤浩実)

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