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絶対収益追求型の実力は(投信ランキング)

2020/1/30 12:00
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絶対収益追求型は、どんな市場環境でもプラスのリターンの獲得を目指す投資信託で、ここ数年、新規設定が増えている。うたい文句の通りなら投資家の強い味方になりそうだが、実際の運用成績はファンドによってばらつきが大きい。ただ、株式ファンドなどに比べてリスクは低いのが一般的で、低金利で期待リターンが低下している債券ファンドの代替として利用する方法もある。

絶対収益追求型は多くの場合、買い一辺倒ではなく割高と判断した資産の先物や、割高な個別銘柄を売ったりするヘッジファンドの運用スタイルを取っている。運用コストがかかるうえ、海外のヘッジファンドが実質的に運用している例も多く、信託報酬は高めのファンドが目立つ。

絶対収益追求型(ロング・ショート型を含む)の過去1年のリターンをランキングしたところ、最もリターンが高かったのはヘッジファンド大手の英マン・グループが実質的に運用する「ロボット戦略2 世界成長ファンド(愛称:あんしんロボ)」だった。投資対象は世界のあらゆる資産の先物で、コンピューターで投資判断やリスク管理を行うクオンツ・ファンドだ。2位の「ダブル・ブレイン」もマン・グループが実質運用するファンドで、相場のトレンドに追随する戦略と、安定的な収益の獲得をめざす戦略の2つを組み合わせているのが特徴だ。

両ファンドとも過去1年の成績は好調だが、いずれも設定来の運用期間はまだ2年に満たない。本当にどんな市場環境でもリターンをもたらしてくれるのか、実力を見極めるには今しばらくの時間が必要だ。

この手の投信の中で最も運用期間が長いのは、スパークス・アセット・マネジメントが運用する2本の日本株を対象にしたロング・ショート型だ。設定は2002年、03年で、リーマン危機後は低迷を続けたが、過去10年は年率リターンが6%台と運用成績は相対的に安定している。

一方、1年リターンが最も低かったのは、ファイブスター投信投資顧問が運用する「日本株ロング・ショート・ストラテジー・ファンド(愛称:とこしえ)」だった。やはり同社が運用する「日本株ロングショート戦略ファンド(愛称:いつつぼし)」が好調だったのと対照的で、銘柄選別の当たり外れが明暗を分けたと思われる。このほか、「AI日本株式オープン(絶対収益追求型)」、「スタイル・アドバンテージ」は17年の設定以来、運用成績が振るわない展開が続いている。

これらのファンドの過去1年の運用成績を主要な株価指数と比べると、わずかに「ロボット戦略2」が日経平均株価を上回っただけで、米S&P500やMSCI-KOKUSAI(日本を除く先進国株)のリターンを超えるファンドは1本もなかった。

この結果には物足りなさを感じるかもしれないが、市場環境が悪いときでも大きく負けない運用を目指すのが絶対収益追求型の特色で、市場全体に比べてリターンは低くても、リスクも低いファンドが多い。例えば「ロボット戦略2」や「ダブル・ブレイン」は1年リスクが日経平均(約14%)の半分程度で、スパークスの2本のロング・ショート型ファンドは1年、5年、10年の各期間ともリスクが日経平均の半分以下だった。

こうした特色を生かして、絶対収益追求型ファンドを国内債券の代替資産として分散投資の対象にする、という運用方法がある。国内債券は超低金利でリターンがほとんど期待できないばかりか、今後金利が上昇(債券価格は下落)すれば損失を招きかねない。そんな国内債券の代わりに絶対収益追求型を資産の一部に組み入れ、株式相場の下落局面での緩衝材にしようという考え方だ。

試しに何本かの絶対収益追求型を対象に、日経平均連動型投信と組み合わせたポートフォリオの過去のリスク・リターンを計算したところ、リターンの低下以上にリスクが低減する効果が確認できた。ランキング上位の中では「ロボット戦略 世界分散ファンド(愛称:資産の番人)」が日経平均との相関が低く、相場下落時に資産の目減りを防ぐ効果があった。

もちろん債券の代替として絶対収益追求型を利用する場合にも、安定的にリターンを上げているファンドを選ぶ必要がある。同タイプの投信には運用実績の短いものが多いだけに、ファンド選びには慎重さが求められる。

(QUICKリサーチ本部 北沢千秋)

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