誰もが自立し働ける町に 十勝ブランドで安定雇用

2020/1/28 10:07
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 「九神ファームめむろ」で障害者の指導員として働く川本明宏さん(2019年12月、北海道芽室町)=共同

「九神ファームめむろ」で障害者の指導員として働く川本明宏さん(2019年12月、北海道芽室町)=共同

農業が盛んな北海道芽室町が「十勝ブランド」の人気を生かし、地元で栽培・加工した野菜を道外に売る事業所を誘致して、障害者の安定した雇用創出に成功した。障害者の移住を全国から受け入れて仕事や家を提供する構想もあり、町の担当者は「誰もが当たり前に働ける町にしたい。他の自治体のお手本になれば」と意気込む。

芽室町の広大な畑作地帯内にある事業所「九神ファームめむろ」では、障害者が手際よくジャガイモ、ゴボウなどの皮むきやカットをしていた。「皆プロ意識を持っています」。責任者の貫田尚洋さん(33)は笑顔を見せた。働き手は知的、精神、身体の障害がある23人で、うち11人は重度判定だ。

「私が死んだらこの子はどうやって生きるの」。町民の訴えをきっかけに前町長の宮西義憲さん(75)が誘致を決め、障害者が働きながら技能を身に付ける「就労継続支援A型事業所」として2013年に開業した。

経営難に陥り障害者を解雇する事業所も多い中、愛媛県や福岡県の総菜チェーンに商品を卸すなど効率よく利益を生む体制を構築した。週休2日で月給は約12万円。北海道が発表する道内のA型事業所の18年度平均よりも6割多い。障害年金も入れると自立するのに十分な額という。

野菜を手際よく加工する障害者(2019年12月、北海道芽室町)=共同

野菜を手際よく加工する障害者(2019年12月、北海道芽室町)=共同

開設当初から通う川本明宏さん(24)は数年前に障害者手帳を返納。現在は指導員として障害者に指示をする立場だ。給料も以前通っていた事業所から約10倍に増え、やりがいを感じている。川本さんは「できないことがあっても障害を言い訳にしたくない」と強調した。〔共同〕

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