邦人帰国機28日夜に出発 政府、新型肺炎を指定感染症に

政府は28日の閣議で、新型コロナウイルスによる肺炎を感染症法の「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」とすると決めた。茂木敏充外相は28日の閣議後の記者会見で、中国湖北省にいる邦人の帰国のため、同日夜に武漢市の空港に民間チャーター機1機を派遣すると発表した。約200人が搭乗できる見通しで、29日午前に現地を出発し羽田空港に戻る予定だ。
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政府は今後も帰国便を順次派遣する方針だ。外務省は28日朝までに約650人の邦人帰国希望者を確認している。茂木氏は「帰国を希望する邦人全員が早急に帰国できるように、現地での移動などを含め、引き続き中国当局、関係省庁としっかり連携していきたい」と語った。
政府関係者によると、治安情勢の悪化などで邦人の帰国を支援した例はあるが、感染症拡大を受けて政府が帰国便を用意するのは異例だという。茂木氏はマスクや防護服などの支援物資を中国に送るとも表明した。
帰国便には医師や看護師、検疫官も搭乗し、機内で帰国者の健康状態を確認する。機内で発症した場合などには指定の医療機関に搬送する方針だ。帰国から2週間程度は検温などの健康管理を続けるよう依頼し、異常があれば保健所に報告するよう働きかける。
指定感染症への指定は2014年の中東呼吸器症候群(MERS)以来で、2月7日に施行する。患者の強制入院や就業制限などが可能になる。加藤勝信厚生労働相は28日の閣議後の記者会見で、施行までの間についても「入院にかかる費用の公費負担ができるよう対応する」と述べた。

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