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新型肺炎リスクで株安連鎖 NYダウは453ドル安

株式市場では旅行客の減少が懸念されている(中国・長沙市の空港、27日)

【ニューヨーク=宮本岳則】世界の金融市場が新型肺炎の感染拡大に身構えている。27日の米株市場でも株安の連鎖が止まらず、ダウ工業株30種平均は前週末比453ドル93セント安の2万8535ドル80セントで取引を終えた。下げ幅としては2019年10月以来、約3カ月半ぶりの大きさだ。一方、米国債など安全資産にはマネーが向かった。景気や企業活動への影響が読み切れず、投資家はリスク回避に動いた。市場の楽観ムードは一時修正を迫られそうだ。

中国湖北省で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で、市場関係者は情報収集に追われた。高値圏にある株式相場へのインパクトは大きく、株安はアジアから欧米に連鎖した。

27日の米国株市場は朝方から売り優勢で始まり、ダウ平均は、終値で5営業日続落となった。連続下落記録としては19年8月以来の長さだ。「商いを伴った下落で、売り圧力は強い」。米ジョーンズトレーディングの上場投資信託(ETF)取引責任者、デイブ・ルッツ氏はこう明かす。

業績への悪影響がほぼ確実視される銘柄は、空売り勢から狙い撃ちされている。例えば空運レジャー関連株。航空大手エールフランスKLM株は27日、終値で6%安まで売り込まれた。感染拡大で旅行や出張を控える動きが広がり、乗客数の減少が予想されている。

中国が海外団体旅行を禁止したことを受けて「インバウンド消費」の縮小も見込まれている。高級ブランド世界最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンも12月以来の安値をつけた。

リスク回避の動きは債券や商品市場にも広がった。安全資産とされる米国債には買いが集まり、長期金利の指標である10年物国債利回りが一時1.59%と、19年10月以来ほぼ3カ月半の水準まで低下した。

米JPモルガン・チェースのストラテジスト、ジェイ・バリー氏は「コロナウイルスへの恐怖が影響している」と指摘する。一方、米指標油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は期近3月物が下落し、3カ月半ぶりの安値をつけた。

相場の不安定な動きはしばらく続きそうだ。市場関係者は感染者数の伸びや地域的な広がりを注視している。先週末時点では「上半期は中国やアジア新興国経済の成長率に下押し圧力となるが、通年では軽微」(JPモルガン)との見方が出ていた。ただ27日時点で感染の勢いは増しており、投資家は影響の再検討を迫られている。株式市場では積極的な買い手が減り、相場はニュースの見出し(ヘッドライン)で振れやすくなる。

米国では19年10~12月期決算の発表が本格化している。商品の生産や部品の調達を中国に依存する米企業は多く「新型肺炎で工場の稼働停止が続けば、サプライチェーン(供給網)への影響は無視できなくなる」(米インバーネス・カウンセルの首席投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏)。28日はアップル、29日にはゼネラル・エレクトリック(GE)が決算発表を予定しており、経営陣の発言に注目が集まりそうだ。

新型肺炎

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