「大変革期、会社支える」 トヨタ労組が前年割れ要求

2020/1/27 21:46
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トヨタ自動車労働組合は27日、2020年春季労使交渉で全組合員平均、月1万100円の賃上げを求める方針を発表した。昨年の要求額より1900円、妥結額より600円下回っている。賃金改善分に相当するベースアップ(ベア)は配分方式を見直すことを明らかにし、西野勝義執行委員長は「自動車産業の大変革期の中、組合としても会社を支える意味でこうした観点が必要だと判断した」と述べた。

トヨタ自動車労働組合の西野勝義執行委員長(27日、豊田市)

賃上げ額にはベアや定期昇給に相当する賃金制度維持分のほか、手当など「人への投資」を含んでいる。「34.3歳、技能職」などの条件で、38万7440円といった個別の賃金水準3パターンを要求に盛り込む。

年間一時金は基準内賃金の6.5カ月分を要求する。満額回答だった昨年を0.2カ月分下回る。トヨタ単独の営業利益などの業績を考慮した。

ベアは配分方式を見直す。個人の役割・能力の評価に基づく「職能個人給」だけに配分することで、成果重視の重みが増す。5段階の人事評価に応じて配分する。評価が高い社員への配分を厚くする一方、組合員の中で職位が高い係長級で評価が極めて低い社員はゼロになる。

従来以上に差をつけて個々人の意欲を引き出す狙いがある。西野委員長は「組合員が『頑張っていこう』というマインドにしていきたい」とした。

要求案は27日に職場提案しており、2月7日に正式決定、同月12日に会社側に申し入れる予定だ。

19年春交渉では組合員1人当たり1万2千円の賃上げを要求し、1万700円で妥結した。前年要求とは単純比較できないとしており、西野委員長は「昨年、通年での経営側との協議の場ができ、ある意味タイムリーに課題が解決できるようになった。今回の要求で議論すべきものを精査した」と述べた。今回の要求に含まれない諸手当については春交渉以外の場で経営側と議論を継続する。

ベアの実額は19年に続き要求内容に明示しない。上部団体の方針やグループ中小との格差是正などを総合的に判断し、賃金総額の議論を重視する。トヨタ労組は18年交渉でベア月3千円を要求したが、経営側はグループ内の上限となる慣例をなくすために「前年超え(1300円超)」とするにとどめ、具体額を公表しなかった。

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