新型肺炎、関西観光業に影響 ホテルはキャンセル相次ぐ
関西、中国人観光客の比率高く

2020/1/27 19:55
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マスクをして買い物する観光客ら(27日、大阪市中央区の黒門市場)

マスクをして買い物する観光客ら(27日、大阪市中央区の黒門市場)

中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で、中国政府は同国からの海外団体旅行の禁止措置を講じた。同措置に伴う中国人客の減少は、訪日外国人(インバウンド)が支える関西の観光業にも影を落としそうだ。ホテルでは中国人客のキャンセルが発生しており、小売り各社も「今後はマイナスの影響が出そうだ」と身構えている。

格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションは関西国際空港―上海間を1日1往復、関空―香港間を1日最大3往復する。担当者は「旅客数に若干の落ち込みがみられる」とし、今後の状況を注視する考えだ。

ホテル業にも影響が及んでいる。大阪城にほど近いホテルニューオータニ大阪(大阪市)では中国本土からの観光客のキャンセルが相次いでいるという。宿泊客に占める中国人客の割合は約16%と一定の存在感があり、担当者は「まさかこのタイミング(春節の時期)でこんなことになるとは」と落胆する。

南海電気鉄道の難波駅近くのホテルでも26日から27日にかけて約15件の予約がキャンセルされた。感染を恐れた欧米からの宿泊客のキャンセルも含む。担当者は「観光業にとっては大きな痛手。早く落ち着くことを祈るしかない」と話した。

関西の百貨店の多くは免税売上高の8~9割を中国人客が占めており、同国客への依存度が高い。足元では大きな影響が出ていないものの、渡航制限で今後は状況が変化する可能性もある。

高島屋大阪店(大阪市)の24日~26日の免税売上高は、2019年の春節前日から開始2日までと同水準だという。「今後はマイナスの影響が出そうだが、度合いはわからない」という。近鉄百貨店のあべのハルカス近鉄本店(大阪市)では24日~26日の免税売上高が微減だった。

ドラッグストア大手のココカラファインは大阪市内で約70店舗展開しているが、足元の免税売上高に大きな変化はなく、客数も例年通りという。ただ、「中国からの団体旅行が禁止されたことで、今後は影響が出る可能性もある」(担当者)という。

天守閣の年間入館者のうち約6割が外国人の大阪城(大阪市)では、24日~26日の全体の入館者数は前年同期に比べ1~2割ほど減っている。担当者は「日韓関係の悪化が響く中、中国人客も旅行を手控えるとなると今後の影響が読めず怖い」と漏らした。

中国人客らが多く訪れる大阪・黒門市場や京都・錦市場でも影響がみられる。錦市場の豆乳ドーナツ店「錦市場こんなもんじゃ」では「来店客は体感で去年の春節の時期と比べ2~3割減少している」(安田圭吾店長)という。

黒門市場では行き交う利用客の半数ほどがマスク姿だった。魚介類を扱う店舗の40代男性は「25日くらいから客足が減り、マスク姿が増えたように感じる」と話す。最近はマレーシアやタイなど東南アジアの訪日客の利用が増えているといい、「(東南アジア各国では)2月後半に長期休暇があるので、そちらに期待したい」と話した。

日銀大阪支店は19年、15年度~17年度に毎年平均でインバウンド消費が関西の名目域内総生産を0.2%程度押し上げたとの推計を発表した。

国別では中国人客の寄与度が高いとみられ、近畿運輸局によると18年の関西への入国者数に占める中国人の割合は30%と全国(27%)に比べ若干高い。りそな総合研究所によると、訪日消費に占める中国人の割合も関西は39%と全国(34%)を上回る。同研究所の荒木秀之主席研究員は「中国人客の関西経済へのインパクトは大きく、中国人客減が(関西の)景気の下押し要因にもなり得る」と指摘する。

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