真風に大人の男の色気 宝塚歌劇宙組公演

2020/2/3 2:00
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17世紀前半、仙台藩主の伊達政宗はスペインとの通商交渉のため「慶長遣欧使節団」を送り出した。今もスペインには、使節団の子孫ともいわれる「ハポン(日本)」姓を名のる人々がいるという。東京宝塚劇場で上演されている宝塚歌劇宙組のミュージカル「イスパニアのサムライ」(作・演出は大野拓史)は、そんな史実から発想したロマンあふれる舞台だ。

「イスパニアのサムライ」の真風涼帆(C)宝塚歌劇団

「イスパニアのサムライ」の真風涼帆(C)宝塚歌劇団

主人公は政宗の家臣、蒲田治道(真風涼帆)。政宗の護衛役の剣士だったが、主君とのいさかいから使節団に加わった。そしてスペインで、夫を失い宿屋を切り盛りするカタリナ(星風まどか)や、奴隷にされそうになった日本の少女たちを救う。さらに剣士アレハンドロ(芹香斗亜)との出会いが治道の運命を変えていく。

史実を背景にしながら、自由にファンタジーの世界を展開するのが宝塚歌劇だ。西洋と東洋の文化が交錯する今作では、そうした宝塚歌劇らしさが発揮される。トップスターの真風はすらりと背が高く、ロングヘアや、和服に羽織った洋風のマントが格好いい。娘役トップの星風は意志の強い女性を好演。芹香の歌は温かく客席隅々にまで届く。

後半のショー「アクアヴィーテ!!」(作・演出は藤井大介)は、ウイスキーがテーマだ。冒頭の衣装はその酒の色に似たゴールド、グラスを手にした男と女の恋物語風の場面が連なる。昭和の歌謡曲が流れるバーのようなレトロな雰囲気があり、それがトップ就任3年目に入り、大人の男の色気を身につけた真風に合う。

ミュージカルとショーを通じて、日舞やバレエ、タンゴなど東西のさまざまな舞踊や音楽が登場した。それらをすべて我が物にして独特のあでやかさを生み出す。これも宝塚歌劇ならではだろう。東京公演は2月16日まで。

(瀬崎久見子)

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