中村さん遺志継ぎ支援継続 静岡のアフガン出身医師

2020/1/27 11:08
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静岡県島田市で診療所を開業する医師のレシャード・カレッドさん(69)は、アフガニスタンで昨年12月に凶弾に倒れ、73歳で亡くなった非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表で医師の中村哲さんと志をともにしてきた。同国出身で、診療の傍ら医療と教育の両面から母国の復興を支援。中村さんの死に心を痛めつつ「遺志を継いで、自分にできることを続けたい」と話す。

取材に応じるアフガニスタン出身の医師、レシャード・カレッドさん(静岡県島田市)=共同

取材に応じるアフガニスタン出身の医師、レシャード・カレッドさん(静岡県島田市)=共同

1969年に留学生として来日し、京都大医学部などで学んだ。母国で医師になろうと考えていたが、79年の旧ソ連によるアフガン侵攻で帰国できなくなり、周囲の勧めもあって日本国籍を取得。93年、島田市で診療所を開いた。

80年代からパキスタンのアフガン難民キャンプなどに出向き、医療支援に携わる中で中村さんと知り合い、親交を深めた。2014年11月にはアフガンで、中村さんらが手掛けるかんがい事業を視察。中村さん宅に泊まり、夜通し同国の将来について語り合った。

「戦争や空爆では平和は来ない」が中村さんの口癖。レシャードさんは、現地の人になりきって活動する中村さんの姿を尊敬し、共にアフガン人が自立できる支援方法を考え行ってきた。

19年10月、中村さんにアフガンの名誉市民権が授与され、祝福の電話をかけた。中村さんは今にも泣きそうな声で「やってきたことが評価されたことが実感できて、こんなにうれしいことはない」と喜んでいたという。その2カ月後の悲劇だった。

レシャードさんは昨年12月に福岡市で行われた告別式に参列。ひつぎに納まる中村さんと対面し別れを告げた。「すごく良い顔をしていた。だけど本当に悲しくて、悔しくて」

自身が立ちあげた認定NPO法人「カレーズの会」の活動の視察で同月下旬、アフガンを約10日間訪問。滞在中、近くで銃撃戦が起きたとの情報が入るなど、治安の悪化を感じたという。だがそこで暮らす人たちを見て「危ないからといって支援をやめるわけにはいかない」と話す。

復興には日本人に関心を持ってもらう必要があると感じている。自身の活動を通じ現状を伝えることで、関心から支援へ広がってほしいとも。「中村さんはアフガンのためを考え、活動されてきた。その思いや気持ちを伝えていきたい」

〔共同〕

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