千葉女児虐待死から1年「悲劇繰り返さぬ」

2020/1/24 20:44
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父から虐待を受けていた千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(当時10)が死亡してから24日で1年。県や市は「悲劇を繰り返さない」と、児童相談所との連携強化や職員研修などを進める。一方、対策の影響で児相の一時保護所では児童数が急増し、定員超過が常態化している。

栗原心愛さんが虐待死した事件で、黙とうする千葉県野田市の職員ら(24日、野田市役所)

「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか」

2017年11月、心愛さんは学校のアンケートで父、勇一郎被告(42)=傷害致死罪などで起訴、2月21日に初公判=の暴力を訴えた。県柏児童相談所はすぐに一時保護。心愛さんは父を拒絶する態度を示し、医師からは性的虐待を疑わせる診断が出たが、翌12月に解除した。

今月23日公表の野田市の検証報告書は「解除すべきではなかった」と指摘。学校の長期欠席や勇一郎被告の言動など、行政の介入機会が13回もあったとして「救えた命だった」とした。

県は緊急対策で児相の職員増、行政を支援する警察官や弁護士の配置拡大のほか、父親の威圧的態度に行政職員が萎縮した教訓から、親への対応をロールプレー形式で学ぶ研修も重ねる。

心愛さんが勇一郎被告と同居を再開して以降、学校が家庭訪問しなかった反省もあり、担任が虐待事案に対処する場合、代わりに授業をする講師を派遣する仕組みを導入。今年1月までに小学校計40校に派遣し「ケアに集中できた」との声が寄せられているという。

一方で課題も浮かぶ。千葉市を除く県内6児相の一時保護所の児童は、昨年1月時点で定員と同数の計115人だったが、同12月は約1.7倍の計197人に増えた。

県は来年2月までに定員を増やす計画だが、当面は学習室を寝室として使ったり、入浴時間を早めたりして対処。県児童家庭課は「命を守ることが最優先だ。窮屈な生活環境だが、何とか工夫してしのぎたい」と話す。

認定NPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は「生活環境の悪化は精神面に悪影響を及ぼす恐れもある。他の都道府県の施設や里親にも保護の委託を進めるなど選択肢を広げ、定員超過の解消を急ぐべきだ」としている。〔共同〕

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