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日立、AIの予測結果の根拠を可視化 企業の活用支援

日立製作所は27日、日立コンサルティングと連携して人工知能(AI)の予測や判断結果の根拠を説明し、企業のAI活用を支援するサービスを始めた。AIが出す結果の根拠を定量的に示すとともに、精度の低下がないかといった監視もしてAI導入で成果を出すための体制や仕組みの整備を総合的に支援する。

深層学習(ディープラーニング)などのAI技術に基づいた予測モデルの結果に対し、それぞれのデータが与えた影響度を可視化する。例えば、家電量販店におけるエアコンの購入率を予測するモデルの予測結果の場合、「前回購入からの年数の影響度が11%で最も高い」などと説明する。

継続して予測モデルを監視し、想定外の精度の低下が起きた場合も、精度を下げた影響度が高いデータを提示する。データを基に日立コンサルティングや日立製作所のAI活用支援部門の担当者が、顧客企業に予測モデルの改善提案をする。

AIの定着や改善のための体制や仕組み作りの整備も支援する。可視化した根拠を基に予測モデルや業務を改善しやすいように、顧客が使い慣れた業務システムの画面上に根拠のデータを表示するといったシステム改修も請け負う。

ディープラーニングや機械学習を使ったAI活用では、AIが出す予測結果や判断の根拠がわかりにくいという課題がある。検証に取り組む企業は多いが、根拠をうまく説明できない場合が多いことから、顧客向けサービスや業務改善への適用はあまり進んでいない。総務省などが19年3月に発表した2230社を対象にした調査結果によると、AIを本番導入した企業は回答があった293社中45.7%だった。

日立のサービスは同社が注力するあらゆるものがネットにつながる「IoT」やAI技術を使い、顧客のデータから新たな価値を創出する「ルマーダ」事業に含まれる。顧客の課題からAI技術によるデータ分析用の予測モデルの構築などを手掛ける既存サービスの「データ・アナリティクス・マイスターサービス」など、顧客との「協創」を通じて気づいたAI導入の壁や定着化のポイントなどのノウハウを集約した。

可視化した根拠を基に、自ら改善策を出せる顧客にはコンサルティング部分を省いてサービスを提供する。AIの知識がない顧客に対しても、根拠の理解の仕方を日立コンサルの担当者が説明することで、「2~3カ月あれば自分で理解できるレベルになる」(担当者)という。

日立は21年度にルマーダ事業で1兆6000億円の売上高を目標に掲げる。今回のサービスの価格は個別見積もりで、新規システムの開発やAI技術による予測モデルの構築などに比べると「売り上げ自体は大きくない」(担当者)。このサービスによって、AI導入や定着に対する顧客の不安を解消し、結果的にデータ・アナリティクス・マイスターサービスなどの採用企業を増やすことで全体の売り上げを高めたい考えだ。

(井原敏宏)

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