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平家物語を音曲で 平家語り研究会が公演

琵琶などによる平家物語の音曲の様子(浜松市楽器博物館提供)

盲目の琵琶法師が鎌倉時代から語り継いだ平家物語の音曲の保存、継承に取り組む「平家語り研究会」(代表・薦田治子武蔵野音楽大学教授)は2月16日、紀尾井小ホール(東京・千代田)で「声明と平家琵琶 六道輪廻(ろくどうりんね)の世界」と題した演奏会を開く。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」で始まる平家物語は文字では残っているが、音曲の節はほとんどが途絶えた。同研究会は物語の核になる章段「六道之沙汰」の節を古い譜本を手掛かりに苦心して復元、メンバーの演奏家が初めて披露する。

この段は平家物語のほぼ全編を習得しないと伝授を許されない小秘事(しょうひじ)と呼ばれた秘曲。平清盛の次女、建礼門院(平徳子)が自らの来し方を地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天の六道になぞらえて清盛の政敵だった後白河法皇に語る哀切な場面だ。

徳子は高倉天皇に嫁いで安徳天皇を産むが、壇ノ浦の合戦で平家一門が滅ぶ際に安徳天皇らとともに入水。ただひとり助けられ、京都・大原の寂光院で一門を弔う。その半生の語りは平家盛衰の物語のダイジェストと言ってもいい。

今回、平家物語や平家語りの源流とも言える比叡山に伝わる声明の「六道講式」を、天台宗の僧侶たちが実演して平家語りと聴き比べる。薦田教授は「声明には平家の中の文言や音律も含まれていて興味深く聴いていただけるはず。平家語りの『六道』を復元した意義は大きいと自負している」と話す。

平家語り研究会は2015年に発足。日本音楽史が専門の薦田教授を中心に、箏(そう、琴)や三味線の若手演奏家などが失われた音曲をよみがえらせ、伝承の一環として成果を公演などで発表して国内外で高く評価されている。

(中沢義則)

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