「責任能力ある」と植松被告 相模原殺傷、被告人質問

2020/1/24 10:56 (2020/1/24 13:26更新)
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植松被告の裁判員裁判第8回公判で傍聴券を求めて列を作る人たち(24日午前、横浜市)=共同

植松被告の裁判員裁判第8回公判で傍聴券を求めて列を作る人たち(24日午前、横浜市)=共同

相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人を殺傷したとして殺人罪などに問われた元施設職員、植松聖被告(30)の裁判員裁判の公判が24日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で開かれ、被告人質問が始まった。植松被告は「(自分には)責任能力はあると考えている。弁護側の無罪主張は間違っている」と話した。

弁護側は大麻精神病による心神喪失か心神耗弱の状態だったとして責任能力を争う構えで、被告と弁護側の間で主張が食い違う構図になった。

植松被告は「責任能力を争うのは間違っていると思う」とした上で「責任能力がなければ即死刑にすべきだ」と独自の主張を展開。障害者についても「意思疎通のとれない重度障害者は安楽死させるべきだ」「(重度障害者が)無理心中や介護殺人、社会保障や難民といった多くの問題を引き起こしている」と従来の持論を繰り返した。

障害者の家族の気持ちについて弁護人から聞かれると「(子供を)守りたい気持ちはわかるのですが、受け入れられません。お金と時間を奪っている限りは愛して守ってはいけない」と答えた。

被告人質問は24日を含め計4日間予定され、弁護側と検察側双方が質問する。障害者への差別感情を持った経緯や事件当時の状況、被告の精神状態などがどこまで明らかになるかが注目される。

植松被告は2012年にやまゆり園に就職。次第に入所者に対する差別的な言動がみられるようになり、16年2月に衆院議長公邸に施設襲撃を予告する手紙を持参した。同月に同園を退職した後、相模原市が「他人を傷つける恐れがある」として措置入院させ、同年3月に退院。同年7月に殺傷事件を起こした。

これまでの公判では植松被告の元交際相手の女性が証人として出廷。植松被告は14年の時点では散歩する入所者を見て「あの人はかわいい」と話していたが、15年には「あいつら人間じゃない」と否定するようになったと証言した。襲撃をほのめかした植松被告に「刑務所に入ることになる」と指摘すると「世間が賛同して出てこられる。俺は先駆者になる」と話したという。

弁護側が示した友人らの供述によると、植松被告は16年2月ごろ、中学校時代の同級生たちに電話で「障害者を殺そうと思っている」と話し「重度障害者は人間じゃない。政府の代わりに俺がやる」とも言ったという。

8日の初公判で検察側は動機について「病的な妄想ではなく、単なる特異な考え方」と指摘し、計画的に犯行に及んでいることなどから完全責任能力があったと主張。一方、弁護側は「本来は明るく優しい人物だった」が、大麻の乱用で「本来とは違う別の人になった結果として犯行が起きた」と無罪を訴えた。

植松被告は初公判で右手の小指をかみ切るような動作をしたため退廷。その後の公判では自傷行為を防ぐ手袋を両手にはめていたこともあった。24日は素手で右手小指には包帯が巻かれていた。

事件は16年7月26日に発生。やまゆり園の入所者の男女19人が刃物で刺され死亡し、職員2人を含む26人が重軽傷を負った。植松被告は殺人罪などで起訴された。

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