英でEU離脱法成立 1月末離脱、「移行期間」へ
【ロンドン=中島裕介】英国の欧州連合(EU)からの離脱条件などを盛り込んだ関連法が23日成立した。22日までに英議会の上下両院を通過し、エリザベス女王が23日に裁可して成立した。これで英側の手続きは事実上完了し、EU側も29日の欧州議会で英との離脱協定案を了承する予定。英国は31日の英時間午後11時(日本時間2月1日午前8時)に、EUを離脱することになる。
31日の離脱後は激変を緩和するために現状の英・EUの経済関係が続く「移行期間」に入る。同期間は2020年末までで、この間に英・EUが新たな関税ルールを盛り込んだ自由貿易協定(FTA)などで合意できるかが次の焦点になる。
関連法はジョンソン首相が19年10月にEUと合意した離脱協定案を英国の国内法に反映した内容だ。ジョンソン首相率いる与党・保守党が圧倒的な過半数を握る下院では、大きな波乱もなく9日に通過した。その後上院が法案の一部修正を求めたが下院がこれを拒否。上院は下院のこの判断を受け入れたため、女王の裁可を待つのみとなっていた。