フィリピン19年成長率、8年ぶり6%割れ 輸出鈍化で
米中貿易戦争響く

2020/1/23 15:54
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【マニラ=遠藤淳】フィリピン統計庁は23日、2019年の実質国内総生産(GDP)伸び率が前年比5.9%(速報値)だったと発表した。3年連続の減速で、政府目標の6.0~6.5%に届かず8年ぶりに6%を下回った。米中貿易戦争を背景とする世界景気の低迷で輸出が鈍化し、設備投資はマイナス成長となった。インフラ整備向けの政府支出も伸び悩んだ。

フィリピン政府はインフラ開発を進めるが、一部で遅れも(20日、マニラ)=AP

「外需が低迷し、米中貿易摩擦の間接的な影響を受けた」。国家経済開発庁のペルニア長官は会見でこう述べた。輸出は18年までの3年間、10%台の伸びが続いていたが、19年は3.2%増にとどまった。中国などで完成品に組み込まれる電子部品や半導体の輸出が低調だった。設備投資は前年の12.4%の伸びから5.2%のマイナスに転じた。

景気浮揚を狙ったインフラ整備事業が一部で停滞したことも響いた。19年予算の成立が4カ月遅れ、政府支出が10.5%増と前年の13.0%増から伸び悩んだ。GDPの約7割を占める民間消費の伸びは5.8%。インフレ加速で消費が冷え込んだ前年の5.6%から持ち直したが、外需の不振を補えなかった。

滞っていた予算執行が進んだことで、19年10~12月期のGDP伸び率は前年同期比6.4%と2四半期連続で拡大した。政府は20~22年の成長率目標は従来の6.5~7.5%のまま据え置いた。ペルニア氏は「関係機関はインフラ整備が迅速に進むよう対応を急ぐ必要がある」と強調した。

ドゥテルテ政権が発足した16年のGDP伸び率は6.9%で、その後右肩下がりが続く。成長率目標も下方修正した。国民の支持率は依然、約8割の高さを維持しているものの、景気回復に手間取れば、国民の間で不満が高まる可能性もありそうだ。

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