トイレトレーラーに熱視線 清潔で快適、災害に強い
100自治体が導入検討

2020/1/23 10:20
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 北海道沼田町の役場前にお目見えしたトイレトレーラー(2019年12月)=共同

北海道沼田町の役場前にお目見えしたトイレトレーラー(2019年12月)=共同

清潔で快適に使える移動式の「トイレトレーラー」に全国の自治体が熱い視線を注いでいる。災害時には太陽光発電で稼働でき、被災地のトイレ不足解消に威力を発揮する。一般社団法人「助けあいジャパン」(東京)によると、全国で100を超える自治体が導入を検討している。

昨年12月上旬、北海道沼田町の役場前にお目見えしたトイレトレーラーは高さ約3.5メートル、幅約2.4メートル、奥行き約5.6メートルで、キャンピングカーなどを販売する「ロータスRV販売」(埼玉県三芳町)が、米国の工場に委託生産している。

洋式の水洗トイレを設置した個室4室は子どもと入れるほど広く、壁には化粧鏡もある。換気扇や清掃用の排水溝も整備され、長期間使用しても衛生状態を維持できる。

トレーラーは約1500万円と高額だが、プライバシー面で課題があった従来の仮設トイレとは違い、防音性や遮熱性に優れる。断水時には近くの水源から揚水ポンプで給水できる。約1500回分の汚物をためられ、くみ取り式としても、マンホールに直接流して使うことも可能だ。

静岡県富士市は、全国に先駆け2018年4月に1台を導入。昨年10月の台風19号では、大きな被害が出た長野市赤沼に約2カ月間派遣した。長野市社会福祉協議会によると、地区では床上浸水し、トイレを使えない世帯が多かった。

市社協の高野光昭課長補佐(57)は「ゆったりとしたスペースで臭いも気にならない。トイレがほとんど使えない状況だったので、トレーラーがなければ大変なことになっていた」と話す。

16年に内閣府がまとめた「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」によると、11年の東日本大震災では一部のトイレが「排せつ物の山」となり、衛生状況は劣悪だった。トイレに行くのを避けるために水分や食品摂取を控えると、脱水症状やエコノミークラス症候群を発症する恐れもあり、こうしたリスク回避につながる。

全国の自治体で災害時にトレーラーを相互派遣できる仕組み作りを目指す「助けあいジャパン」によると、富士市のほか、愛知県刈谷市や岡山県倉敷市など計5自治体が既に導入している。〔共同〕

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