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新型肺炎、対応急ぐ企業 在宅勤務や武漢出張禁止

マスクを着用して北京市内を歩く人たち。中国では新型コロナウイルスの感染の拡大が続いている(22日)=共同

【北京=多部田俊輔】中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎で、中国共産党系の環球時報(電子版)は22日夜、中国で新たに8人の死亡が確認され、合計で17人になったと伝えた。感染者数は540人を超えた。海外では米国やマカオでも感染が確認された。24日からの中国の春節(旧正月)による大型連休を控え、国内外で警戒感が強まっている。

中国政府で保健衛生を担当する国家衛生健康委員会は22日「ウイルスは変異する可能性があり、さらに拡散するリスクがある」との見方を示した。中国の専門家によるとタケネズミやアナグマなど野生動物が感染源の可能性があるという。

企業は感染防止策を急ぐ。リコーは武漢の現地社員の海外出張を原則禁止とした。市内に総合スーパーを5店舗出店しているイオンは駐在員など全ての従業員に出勤時の体調管理を義務付け、売り場の消毒を徹底。豊田通商グループのネクスティエレクトロニクスは今週から武漢拠点の従業員を在宅勤務とした。

AGCや日揮、神戸製鋼所、リコーは武漢市への従業員の出張を禁止した。ヨロズは武漢から帰国した社員に医療機関での検診を求める。アルプスアルパインJパワーは中国への出張をなるべく控えるよう促した。半導体製造装置のアドバンテストは中国で勤務する従業員全てに電話会議への切り替えを指示した。

日本貿易振興機構(ジェトロ)武漢事務所によると、日本企業は現在約160社あり、駐在員など500~600人の日本人が滞在する。

24日から春節の大型連休に入り大勢の移動が見込まれる。厚生労働省は空港などの検疫所でのサーモグラフィーによる入国者の発熱検査に加え、武漢発の航空便などでは機内で乗客に体調に関する質問票を配り、症状の有無や日本での連絡先を記入してもらう対策を追加する。

格安航空会社の春秋航空日本は週に3便運行する成田―武漢便でパイロットや客室乗務員全員がマスクを着用し、乗客への無償配布も始めた。JTBでは中国向けのパッケージツアーで「要因はわからないがキャンセルが出始めた」という。

株式市場では先週末17日と比べ、日本航空が3%下げ、中国南方航空も大きく下落した。訪日客の消費が落ち込むとの懸念から、三越伊勢丹ホールディングスなど百貨店株の売りも膨らんだ。一方、マスク製造の興研の株価上昇率は3割を超え、除菌グッズを手掛ける大幸薬品が13%高となった。

SOMPOリスクマネジメントの瀬戸寛喜氏は「大流行し中国の拠点が閉鎖に追い込まれる事態に備え、今のうちに事業継続計画を確認しておく必要がある」と指摘する。世界銀行と世界保健機関の共同組織が出した報告書では、重症急性呼吸器症候群(SARS)による経済損失は400億ドル(約4兆4千億円)以上、「H1N1」インフルエンザは500億ドル前後だったという。

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