玄海町長に100万円 建設会社、原発工事へ便宜期待か - 日本経済新聞
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玄海町長に100万円 建設会社、原発工事へ便宜期待か

九州電力玄海原発がある佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長(63)が初当選直後の2018年7月、福井県敦賀市の建設会社「塩浜工業」側から現金100万円を受け取っていたことが22日、分かった。塩浜工業は、原発立地自治体のトップは電力会社に影響力を持つと考え、原発関連工事受注への便宜を期待した可能性がある。

脇山氏は共同通信の取材に現金受領を認め、「ずっと返すつもりでいた。便宜は図っていない」と釈明。昨年12月以降になって返還できたとし、進退については後援会などと相談する必要があると述べた。23日に記者会見し、一連の経緯を改めて説明する見通し。

塩浜工業は、関西電力役員らに金品を贈っていた福井県高浜町の元助役森山栄治氏(19年3月に90歳で死亡)に顧問料として毎月50万円などを支払っていたことが既に判明。脇山氏への現金提供については「(当時担当だったとされる)専務が亡くなっているため、事実関係を把握できない」とコメントした。

脇山氏によると、町長選で初当選した2日後の18年7月31日、自宅を訪ねてきた塩浜工業の関係者から「当選祝い」として、のし袋に入った現金100万円を受け取った。いったんは「要りません」と拒否したが、相手は玄関にのし袋を置いて帰ったという。

返金を検討していたが、業務が多忙で実現せず、自宅の金庫に保管し続けたと釈明。返還した際も、のし袋に入った状態だったとしている。

政治資金規正法は、政党以外が企業・団体献金を受け取ることを禁じており、法人として塩浜工業が100万円を支出していれば、抵触する恐れがある。同社の役員や社員の個人献金であっても、脇山氏が代表を務める政治団体の収支報告書に記載はなく、違法性を問われる可能性がある。

一方、原発関連工事の発注権限自体は九電にあるため、職務に関して賄賂を受け取った場合に適用される収賄罪の成立は難しいとみられる。

脇山氏は玄海町議を経て、18年8月に町長に就任した。塩浜工業は1955年創業。工事経歴書などによると、高浜をはじめ全国の原発で安全対策などの工事を受注。玄海での実績は、閲覧できる範囲の経歴書では確認できない。〔共同〕

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