山口FG・愛媛銀行が提携、西瀬戸の振興 強みを融合

地域金融
2020/1/22 20:30
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山口フィナンシャルグループ(FG)と愛媛銀行は22日、船舶向け融資や地域活性化などのノウハウを共有し、西瀬戸地域の振興を図るため、業務提携したと発表した。両社の営業地域は瀬戸内海を挟んで隣接し、提携の名称を「西瀬戸パートナーシップ協定」とした。提携後も互いに経営の独立性は維持し、将来的にも経営統合は目指さない。

両社は連携する主な分野として(1)法人分野(2)シップファイナンス分野(3)リテール分野(4)地域振興分野――の4分野を挙げる。1月中にも実務者レベルの業務提携検討委員会を立ち上げ、分野ごとに4つの検討会を設置。提携の具体的な内容を協議し、5月の連休明けからの実施を目指す。

山口FGは昨年、船舶や自動車産業向け融資を強化するため、モビリティ戦略部やシップファイナンス室を設置した。ただ、船舶向け融資の「審査ノウハウの蓄積や業界情報の収集体制の整備はこれから」(吉村猛社長)の段階。これに対して愛媛銀は伝統的に船舶向け融資や審査などに強みを持ち、そのノウハウの吸収を期待している。

また海運市場の変化に対応するため、両社が連携して、船舶ファイナンス分野で新しい仕組みの組成を検討していく。

一方、山口FGは地方創生コンサルティング会社のYMFG ZONEプラニングやリテール分野の保険ひろばなど、専門的な子会社を持ち、実績とノウハウを積み重ねている。愛媛銀はこうしたノウハウを取り入れ、地域活性化やリテール強化につなげたい考えだ。

■大型船、資金需要に対応
記者会見する山口FGの吉村猛社長

記者会見する山口FGの吉村猛社長

 山口FGの吉村猛社長の主な発言は以下の通り。
 ――連携の中心になるシップファイナンス分野での取り組みは。
 「海運業界は大きく変化し、ニーズも多様化している。今後、船舶ファイナンス分野で新しい仕組みを組成し、愛媛銀行と共同運営する。増加が見込まれるメガコンテナなど大型船舶の資金需要に対応できる体制をつくりたい」
 「瀬戸内海は海事産業の中心のひとつで、愛媛県内の船主が1063隻と日本全体の約30%のシェアを持っている。その海事産業の多様化するニーズに応える仕組みをつくるため、愛媛銀行のノウハウ、ネットワークを活用させてほしい」
 ――将来的な資本提携に発展する可能性は。
 「提携後も独立した経営を維持していく方針。今回の業務提携は将来的な経営統合を目的とするものではない。資本提携についても将来とも考えていない。愛媛銀行は非常に体質の良い銀行で、今回は互いの強みを生かした業務提携をしたい」
 ――山口FGが愛媛銀行に提供するのは。
 「我々は子会社に保険ひろばを持っている。地方活性化についても、YMFG ZONEプラニングが蓄積したノウハウを提供し、愛媛県の地方創生をお手伝いできるのではないか」

■ノウハウ共有、独立維持
記者会見する愛媛銀行の西川義教頭取

記者会見する愛媛銀行の西川義教頭取

 愛媛銀行の西川義教頭取の主な発言は以下の通り。
 ――これまで単独路線でした。なぜ提携に踏み切りましたか。
 「人口減少は避けられない。西瀬戸で連携した方が、よりよいサービスを提供できるのは間違いない。双方は営業エリアや、得意とする分野などに競合が少ない。営業分野で補い合える」
 「昨年7月に経済同友会の集まりがあり、吉村社長から『同じ西瀬戸に立地する地銀として強みを発揮できる仕組みを検討しないか』と。それがスタートで、一気に話が加速した」
 ――これまでの地銀同士の提携にない特徴は。
 「(県境をまたいだ)広域での第一地銀と第二地銀の対等なパートナーシップは全国でも初めて。山口FGはリテール分野で先進的な取り組みをやっている。ビジネスマッチングや海外進出支援も独自のノウハウがある。お互いの強みを融合することで、顧客にプラスになる」
 ――資本業務提携や他行の参加などに発展する可能性はありますか。
 「独立した経営を維持する方針で、将来的な経営統合は目的としない。資本提携は現在も将来も全く考えていない。(他行参加は)今のところ考えていないが、もし相談があれば都度、検討していきたい」

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