タイ19年輸出、4年ぶり減 米中貿易戦争で対中低迷

2020/1/22 18:41
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【バンコク=村松洋兵】タイの商業省が22日に発表した2019年の貿易統計によると、輸出は18年比2.7%減の2462億ドル(約27兆円)だった。米中貿易戦争に伴う世界経済の減速の影響を受け、4年ぶりのマイナスとなった。最大規模の貿易相手である中国への輸出減が響いた。通貨バーツ高も逆風だった。

通貨バーツ高も輸出の逆風となった(タイ中部レムチャバン港)

対中輸出は3.8%減の291億ドルだった。中国に工場を持つ企業が部品の調達など減らしたとみられ、ゴム製品が15%減、コンピューター・部品が9%減となった。

前回に輸出が前年割れした15年も、中国株の暴落をきっかけとした中国経済の減速が要因だった。対中輸出は10年間で8割増え、経済の結びつきが強まっている。

一方、対米輸出は11.8%増の313億ドルと大幅に伸びた。機械・部品が10%増、自動車・部品が7%増だった。米国の対中制裁関税により、中国から輸出していた製品の一部をタイが代替したとみられる。この結果、米国が中国を抜き、最大の輸出相手国となった。

日本や欧州連合(EU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)など他の主要国・地域への輸出は減った。対米ドルで約6年ぶりの高値圏にあるバーツ高などが影響したとみられる。

19年の貿易黒字は18年に比べ2倍の96億ドルだった。輸出は減ったが、国内景気の悪化で輸入がそれ以上に減ったためだ。対米貿易黒字は140億ドルと7%増えた。

米国は13日公表の為替報告書で、対米貿易収支や経常収支を基に指定する「監視リスト」にタイを含めなかったが、基準に近づいているとした。対米輸出の増加が続けば、対象に加えられる可能性がある。

タイ商業省のピムチャノック貿易政策戦略局長は22日の記者会見で「20年の輸出は前年比1.5~2%の増加が期待できる」と述べた。米中両政府の貿易交渉の第1段階の合意により、貿易が活発になるとみている。

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