次世代電池研究拠点、山形大が閉鎖検討 地元に伝える

2020/1/22 18:32
保存
共有
印刷
その他

山形大学xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)について、山形大が地元自治体に閉鎖の意向を伝えていたことがわかった。次世代電池の研究拠点として2016年に飯豊町が開設し、10年契約で大学が賃借していたが、労務問題に端を発したトラブルが指摘されていた。研究成果を元に山形銀行が主体となって進めている量産工場など多方面に影響しそうだ。

山形大学が閉鎖も含めて検討している次世代電池の研究所(2019年11月、山形県飯豊町)

山形大学が閉鎖も含めて検討している次世代電池の研究所(2019年11月、山形県飯豊町)

飯豊町によると後藤幸平町長が2019年12月に小山清人学長を訪れた際、20年3月末で撤退する意向を告げられたという。大学側は1月22日、「借りた施設をお返しすることも、選択肢のひとつとして検討している」とのコメントを出したが、理由などについては説明できないとしている。

次世代電池を巡っては13年に飯豊町、山形銀、山形大が「飯豊電池バレー構想」を提唱し、連携協定を結んで進めていた。総事業費15億円をかけた研究所は年間1000万円の賃料を山形大が町に支払う10年契約を結んでいる。同町は「街づくりに重大な影響が及ぶので、再考を求めて協議を進めている」(商工観光課)としている。

研究所は大学が企業からヘッドハントした教授がけん引していた。ただ、職員へのパワーハラストメントが発覚。関係者によると共同研究先が撤退する動きもあったといい、18年10月に電動チェーンソーなどの新製品を発表した後は、企業との研究成果も公表されていなかった。

飯豊町が建設を始めたリチウムイオン電池部材の工場(2019年12月、山形県飯豊町)

飯豊町が建設を始めたリチウムイオン電池部材の工場(2019年12月、山形県飯豊町)

影響は一研究所の閉鎖にとどまらない。飯豊町では現在、官民で総額50億円をかけたリチウムイオン電池関連の量産工場の建設が始まっている。研究所の技術を実用化するもので、山形銀行が12月に設立した全国初の地域商社はこの商材を扱い、5年後に30億円以上を売り上げる絵を描いている。さらに、仙台市の学校法人は研究所の隣接地に電気自動車(EV)関連の専門職大学の開設準備を進めている。

今年3月で任期を終える山形大の小山学長は大胆な大学改革を進めてきた。山形銀は「情報を集めている」(総合企画部)としているが、地方創生の一環として始めた電池バレーを収益源にする構想に影響しそうだ。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]