Netflix、利益4.4倍に 米国外の会員1億人突破

【シリコンバレー=佐藤浩実】米動画配信大手ネットフリックスが21日発表した2019年10~12月期の純利益は前年同期比4.4倍の5億8697万ドル(約645億円)だった。10~12月期としては過去最高。米国外の有料会員数が初めて1億人を突破した。米ウォルト・ディズニーなどが動画配信に参入した影響を懸念された米国でも会員数の純増を維持し、底堅さを見せつけた。
売上高は前年同期比31%増の54億6743万ドルで過去最高を更新した。19年12月末時点の世界の有料会員数は1億6709万人で、9月末よりも876万人増加した。

欧州・中東・アフリカ(EMEA)で442万人増えたほか、アジア・太平洋(APAC)も175万人増えたため米国外の有料会員数は1億604万人となった。日本では19年末に始まったアイドルグループ「嵐」のドキュメンタリー番組などが会員増に寄与したもようだ。
さらに株式市場が警戒していた米国の有料会員数も42万人増と小幅ながら「純増」を守った。米国では19年11月に月額7ドルの「ディズニー+」や同5ドルの「アップルTV+」が始まり、利用者が分散するとみられていた。ネットフリックスはグーグル検索での関心度合いは、同社のドラマ「ウィッチャー」がディズニー+の話題作「マンダロリアン」よりも高かったことを紹介。ロバート・デ・ニーロ主演のマフィア映画「アイリッシュマン」などを公開したことで、顧客をつなぎ留められたとみている。
20年1~3月期の売上高は前年同期比27%の57億3100万ドル、純利益は同2.2倍の7億5千万ドルを見込む。世界の有料会員数は19年12月末時点よりも700万人増えて、1億7409万人になると予想している。
ただ今後も米国市場を中心に競争は激しくなる見込み。ディズニーは通信大手ベライゾン・コミュニケーションズと組んだ無料キャンペーンを実施し、19年10~12月期に米国で最もダウンロードされたアプリとなった。メディア大手のNBCユニバーサルも月5ドルから視聴できる動画配信サービスを4月から順次始めると発表したばかりだ。
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