独検察、三菱自を家宅捜索 ディーゼル不正の疑い

【フランクフルト=深尾幸生】ドイツの検察当局は21日、三菱自動車の独国内の関係先10カ所を家宅捜索したと発表した。同社のディーゼル車が、試験時だけ有害物質の排出を減らす不正な装置を搭載した疑いで、三菱自の幹部や子会社、2つの部品メーカーを取り調べている。ディーゼル車をめぐる排ガス不正問題で、日本メーカーに対する独当局の捜索が明らかになったのは初めて。
フランクフルト検察などが、フランクフルト近郊の三菱自の複数の拠点や、自動車部品大手コンチネンタルのハノーバーやレーゲンスブルクの事業所などを捜索した。09年に欧州連合(EU)で導入された排ガス規制「ユーロ5」と14年からの「ユーロ6」に適合する排気量1.6リットルと2.2リットルの4気筒エンジンが疑われている。
不正装置は15年に発覚した独VWの排ガス不正でも問題になった。排ガス試験中であることを検知して試験時だけ作動して排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去するが、実際の走行中は機能しない。
三菱自は「ドイツ国内の販売会社と研究開発拠点に検察当局が訪れた。詳細な情報は収集中だが、当局の調査には協力していく」とコメントした。
排ガス不正を巡ってドイツの検察当局はこれまでにVWグループ各社やダイムラー、BMW、オペルなどを家宅捜索した。