遺伝子検査の標準手順策定 日本臨床検査標準協議会
病気の診断、治療用の検査に関わる企業や学会の団体「日本臨床検査標準協議会」は21日までに、遺伝子を調べる検査の信頼性を保つための標準的な手順や体制を定めた手引を作り、これに沿って検査をしている病院や検査会社を認定する活動を始めた。
難病の診断やがんの治療法選択の際に遺伝子を調べる動きは、政府の後押しもあって急速に広がっている。しかし検査機関によって使う機器や試薬が異なり、本来見つかるべき変異が見つからないなどの懸念があった。
そこで、協議会は品質保証の仕組み作りに着手。国際規格や国内外の指針、論文などを参考に、必要なスタッフや記録の残し方、機器や試薬の確認方法などを定めた手引を昨年11月に発行した。他の機関と結果を照らし合わせ、解析の精度が十分かどうかチェックすることも求めた。
また、国際規格の順守状況を評価する「日本適合性認定協会」は協議会と協力し、手引に沿って検査をしている病院や検査会社の認定も始めた。実地調査や実技試験にパスするのが条件だ。
とりまとめに関わった東海大の宮地勇人教授(臨床検査学)は「正しい結果を出すことは安心、安全な医療の要。手引が大きな役割を果たすはずだ」と話す。
〔共同〕