ファーウェイ副会長の審理 3つのポイント

3ポイントまとめ
2020/1/21 6:49
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ファーウェイの孟副会長は20日、バンクーバーの裁判所に出廷した=ロイター

ファーウェイの孟副会長は20日、バンクーバーの裁判所に出廷した=ロイター

2018年12月にカナダで拘束された中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)の米への身柄送還をめぐる審理が20日、始まりました。孟副会長の身柄送還をめぐる問題は貿易戦争をはじめとする米国と中国の対立の象徴とも見られていて、審理の行方が注目されています。審理の論点とこれまでの経緯をおさらいします。

(1)副会長問題の米送還問題とは

孟氏は18年12月、カナダ西部の国際空港で、米政府の要請を受けたカナダ当局に拘束されました。19年1月には米司法省が、経済制裁の科されているイランとの違法な金融取引をめぐる詐欺などの罪で孟氏やファーウェイ本社などを起訴。米加間の「犯罪人引き渡し協定」に基づいてカナダに孟氏の身柄送還を要請しました。カナダの裁判所での日程調整や論点整理を経て、20年1月20日にようやく同氏の引き渡しの是非を決める審理が本格的に始まることになりました。

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(2)審理の争点

大きく2つあります。1つはイランとの違法な金融取引に関わった罪がカナダでも犯罪とみなされるかという点です。カナダの国内法では、米国で訴追された行為がカナダの法律でも違法だと見なされない限り、身柄を引き渡すことは禁じられています。2つ目はカナダ当局の逮捕手続きに問題がなかったかどうかです。孟氏はバンクーバー国際空港で逮捕されるまでの間に職員から不当な尋問を受け、人権を侵害されたと主張しています。孟氏の訴えが認められれば、米国が提出した証拠の一部が審理で使えなくなる可能性もあります。

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(3)米中ハイテク対立への影響

仮に孟氏の米国への送還が決まれば中国の猛反発は必至で、次世代通信規格「5G」などハイテク分野を巡る米中の主導権争いは激化しそうです。米国は安全保障上の懸念があるとしてファーウェイに対する圧力は緩めておらず、事実上の禁輸措置を継続しています。ファーウェイは5G開発競争で世界をリードしており、米国は英国やカナダなど同盟国に対しても「ファーウェイ製の5Gの排除」を求めています。ただ、通信機器の部品のサプライチェーン(供給網)は米中にまたがっているため、ファーウェイとの取引制限で打撃を受けると懸念する米企業も多いのが実情です。

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