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気候変動「金融危機引き起こしうる」 国際決済銀が警鐘

【バーゼル=篠崎健太】世界の中央銀行でつくる国際決済銀行(BIS)は20日、気候変動と金融安定に関する報告書を公表した。気候変動は「次の金融システム危機を引き起こしうる」と断言し、対策を急ぐ必要があると強調した。予測が難しい大惨事を指す金融用語の「黒い白鳥」になぞらえて「グリーンスワン(緑の白鳥)」と表現し、将来の市場混乱リスクに警鐘を鳴らした。

国際決済銀行(BIS)は気候変動による金融危機を警戒する(20日、スイス・バーゼルの本部)

金融や産業界では気候変動をめぐり、温暖化が原因の自然災害で経済損失が生じる「物理的リスク」と、低炭素社会に転換する過程で関連資産や企業が影響を受ける「移行リスク」が懸念されている。報告書はこれらが複雑に絡み合い「壊滅的で不可逆な衝撃をもたらすかもしれない」との見方を示した。

気候変動に関し、中銀や金融当局には将来を先読みする形のリスク分析や監督が求められると強調した。金融危機に陥れば大規模な資産買い入れなどに追い込まれる可能性があるとも指摘した。ただ気候変動に対処する中銀の能力には限界があるとし、政府や企業など幅広い主体を巻き込むべきだと訴えている。

報告書は、気候変動の金融リスクはリーマン・ショック時に叫ばれた「黒い白鳥」よりも複雑で、かつてなく深刻な危機を生みかねないとの認識を示した。執筆に携わったBISのルイス・アワズ・ペレイラ・ダ・シルバ副総支配人は同日、バーゼルの本部で記者団に「我々は次の金融危機の一歩手前に立っているかもしれない」と語った。

世界の中央銀行は気候変動リスクへの警戒姿勢を強めている。英イングランド銀行は金融システムの耐性を調べるストレステストに乗り出し、2021年に結果を公表する予定だ。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は20年中に進める金融政策の総点検で、気候変動への対応策を議論する方針を掲げている。

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