ベネッセ、「短期集中型」の英語教室を傘下に

ベネッセホールディングスは短期集中型の英語教室事業に参入する。スタートアップ企業、スタディーハッカー(京都市)の発行済み株式の50.1%を4月に取得する。企業では採用や昇格、海外赴任などで英語力を問われる場面が増えており、短期間で効率良く学びたいとの需要が高まるとみて買収を決めた。
スタディーハッカーが2015年に始めた英会話教室は、言語習得の研究の結果などを活用することで、短期間で英語力を高めるとPRしている。主力コースの料金は3カ月で約50万円と高額だが、5年間で8千人以上が受講した。
同社は現在、比較的安く受講できる業態も含め19教室を運営する。20年2月期の売上高は20億円近くとみられる。ベネッセは出資額を明らかにしていない。
矢野経済研究所(東京・中野)によると、成人向け外国語教室の市場規模は2100億円で近年横ばいだ。短期型教室の事業にはRIZAPグループが16年に参入、プログリット(東京・千代田)も同年に創業して教室数を増やしている。
スタディーハッカーはベネッセの傘下に入り、採用体制など経営基盤を固める。今後は年間4教室のペースで規模を拡大させる考え。ベネッセは学習スタイルの変化に対応しきれず、主力の通信教育「進研ゼミ」など国内の教育事業の成長に陰りが見え始めている。赤字が続く語学教室「ベルリッツ」はネット上で学べるコースを設けるなどして早期の黒字転換を目指している。
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