LINE使った災害情報共有実験 神戸市で市民参加
神戸市は17日、無料対話アプリのLINE(ライン)を使った災害時の情報共有実験を実施した。建物倒壊や火災の発生状況などについて、市民がAI(人工知能)を利用した自動応答システムと文字情報や写真をやりとりし、自動的に地図に表示できる仕組みを試した。市民が参加した同様の実験は全国でも初めて。

訓練ではLINEの専用アカウントに友達登録し、地震発生の通知と被害状況を尋ねるメッセージ受けた市民が状況を報告した。AIが送信者の位置情報も含め投稿内容を分類して自動的に地図に表示した。災害時にはLINE上から誰でも被害状況を閲覧できる。

AIやSNS(交流サイト)を防災に活用するため2018年に設立されたAI防災協議会による社会実装に向けた実験の一環。協議会の臼田裕一郎常務理事は「友達登録は1万人を超えた。実際に震災を経験した神戸市民に協力してもらうことで、その知見がシステム開発に生かせる」と期待した。
今後、国立研究開発法人の防災科学技術研究所が今回の実験結果を解析し、システム開発に生かす方針。訓練に参加した久元喜造市長は「技術は独占するのではなく(LINEを使った情報共有が)神戸で成功すれば、他の自治体でも使ってもらいたい」と話した。