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ナイキ「厚底」、箱根駅伝も席巻 好記録連発

陸上の長距離界を席巻し、好記録を後押ししているナイキの「厚底シューズ」を巡る動きが慌ただしい。世界陸連の新規則によって禁止される可能性があることを、複数の英メディアが報道。選手らに波紋が広がっている。すでに国内でも世代を問わず広く浸透しており、今後の行方に注目が集まる。

今年の箱根駅伝では、ナイキ製の厚底シューズを履いたランナーが目立った=共同

表彰式はアディダスで登場した青学大

青学大による2年ぶりの総合優勝で幕を閉じた今年の箱根駅伝は、かつてない高速レースとなった。全10区間のうち7区間で区間記録が塗り替えられ、そのうち6人がこのシューズを着用。往路、復路のいずれも大会新となり、総合も前回、東海大がマークしたタイムを6分以上も更新する記録ずくめの大会だった。

気象条件に恵まれたことや大学生の競技レベルの底上げなど複数の要因が考えられるが、選手の足元を支えた「厚底」の"アシスト"も見逃せない。

最大の特徴はカーボンプレートを特殊な素材で挟み込んだソールにある。前への推進力と軽量性を追求。男子マラソン世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)や日本記録を持つ大迫傑(ナイキ)らトップ選手が使用し、注目されるようになった。

ナイキの厚底シューズ=共同

人気のシリーズは改良が加えられ、性能も向上。カラーバリエーションも増えている。青学大はアディダスがサポートしているが、今大会は出場した10人全員がナイキを着用。ただ、表彰式ではアディダスのシューズに履き替えられていた。原晋監督は具体的な言及を避け、「大学長距離界はストイックな生活をしている。走るのは選手の足だから」と語る。

東海大や東洋大はチームとしてナイキのサポートを受ける。今年度から契約を結ぶ東海大の両角速監督は「今大会は極端にたれる(失速する)選手がいなかった」。自身もランニングで使用していて「特に後半は脚を回していくだけで動いていく。疲れていても膝を動かすと進んでいく感じがある」と話す。

誰にでも厚底効果があるわけでない?

高いクッション性が疲れにくさをもたらし、山下りの6区を走った東海大の館沢亨次は従来の区間記録を40秒も縮めた。ただ、誰でも効果を得られるわけではなく、アキレスけんなどへの負担は大きいとの見方もある。「股関節を鍛えないで履くと、けがをするような気がする。人によってはもろ刃の剣だと思う」と館沢。2区で初めて1時間6分を切った東洋大の相沢晃も「履きこなすための練習をしてきた選手が良い結果を出していると感じた」と口にする。

嶋津はミズノのシューズで区間新、創価大の初シード権獲得に貢献した=共同

その「ナイキ1強」に一石を投じたのがミズノだった。7つの区間新記録のうち、唯一、ナイキでなかったのが10区で13年ぶりに更新した創価大・嶋津雄大。真っ白のシューズは今夏の販売を目指している「プロトタイプ」で、箱根駅伝では7人が使用した。

ミズノの広報担当者によると、特徴は「反発性を高めた、新しい素材を採用した」こと。従来、試作品の段階で試合で使用してもらうことはなかったが、「ナイキへの対抗の意味合いもあるし、試し履きで高い評価を得ていた」ことを理由に投入した。

ミズノの"新作"は「特別厚底のシューズというわけではない」(広報担当者)という。底の厚さなど靴の制限に関する世界陸連の判断によっては、各メーカーが対応を迫られ、選手の足元も変わってくるかもしれない。

(渡辺岳史)

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