古細菌、遠い祖先か 海洋機構が海底で発見

2020/1/16 9:26
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人間を含む動植物のように、核を持つ細胞でできた「真核生物」全ての祖先に近い微生物を深海の泥から見つけたと、海洋研究開発機構の井町寛之主任研究員らのチームが16日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。核のない単純な「古細菌」の一種で、12年かけて培養し、全遺伝情報の解析に成功。真核生物の特徴とされる遺伝子を持つことが分かった。

古細菌「MKD1」の電子顕微鏡写真(研究チーム提供)=共同

生物が複雑になっていく最初の一歩に迫る成果。生物は真核生物、古細菌と細菌に大別されるが、真核生物が古細菌から生まれたことが確実になれば、グループ分けが見直される可能性もある。

チームは2006年、紀伊半島沖の深さ約2500メートルの海底で泥を採取し、その中の、酸素のない環境で生きる古細菌「MKD1」を培養した。遺伝子を解析すると、筋肉を構成するアクチンというタンパク質を作るなど、真核生物に共通する遺伝子が見つかった。

MKD1には長い腕のような構造がある。チームは、この仲間が地球に酸素が増えた27億年前ごろ、酸素を利用して生きる細菌を取り込み、その細菌が細胞のエネルギー工場と呼ばれるミトコンドリアになるなど、真核生物の細胞に近づいていったとの説を唱えた。

チームは「MKD1の構造や遺伝子の機能をさらに調べ、古細菌から真核生物に至る道筋を明らかにしたい」とした。

〔共同〕

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